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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-05

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Cooked Idol!(7)

 神無月です。

 まずは皆様にお詫びを。イラストの公開は少なくとも、「発売決定後」ですね。審査通る前に公開とか出来ませんし……(汗)。期待させてしまった方には、申し訳ありません。……とはいえ、期待している方は少ないでしょうけど(苦笑)

 そんなわけで中継ぎドン。

(7)

 お嬢様は、僕がこの家を出て行かなければならない原因を作ってしまったことを、酷く後悔している様子だった。
「ごめんなさい……あたし、そんなつもりじゃ……!」
 泣きじゃくりながら話すお嬢様の、断片的な言葉を要約すると、僕がいなくなると聞いたお嬢様は、奥様に、もうこんなことはしないから、僕をこの家に留めて欲しいとお願いしたらしい。そして奥様は、ある条件を付けて、お嬢様の願いを受け入れた。
 その条件とは。
「あのね、その……お兄ちゃんを、あたしの……妹として迎えるんなら、良いって」
「……妹!?」
 聞いた瞬間、僕は絶句した。もう女装させないようにとか、そんな筋の通った内容ではなく、二十過ぎの男である僕を、お嬢様の妹として迎えるだなんて……!
「何で……私を、妹に?」
「ママ、こう言ったの。お兄ちゃんを、お料理を作る人として雇ったから、あたしはお兄ちゃんに無理を言ったんじゃないかって。だから、家族として迎えるなら無理も言わないだろうから、って……」
 微妙に要領を得ないお言葉だったけれど、要するに、こうだ。
 僕が雇われの身であるから、お嬢様に無理難題を押しつけられたのだろう。なら、家族としてこの家に迎えるのであれば、お嬢様も僕に対して無茶を言うことはあるまい。そういうお考えらしい。
 しかし、なぜに妹なのか。兄では、せめて姉や弟では駄目なのだろうか。
「あの……ママは、とにかく迎えるんなら妹だって……何でか、よく判らないんだけど……」
 奥様の考え? 僕は腑に落ちないものを感じながら、なぜ「妹」なのか、その理由を少し考えてみる。……しかし、いくら考えても、その理由は思いつかなかった。せいぜい、僕に対して「妹扱いされるのなら置いてあげる」という条件を提示することで、この家にいることを諦めさせようとしているとしか思えない。あるいは、この家に居たいのなら、それだけの覚悟を示せ、という意味なのか。
 どうしたものか。僕はお嬢様に、「明日までに返事する」といってお帰しした後、再びベッドの上で思案した。

 そして翌日。
 結論が出て、僕は今ではすっかり着慣れたメイド服を脱ぎ、クローゼットを開けた。自分の返事を、示すために。

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