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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-05

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Cooked Idol!(1)

 いよいよGWも終わってしまいましたねぇ……早いものです。「GW限定女の子」っていうのも萌えますね(どういう状況だ)

 連休中にNHK教育の子供向け料理番組(月~金曜午後5時40分から)を知り、唐突に妄想が浮かんだので、適当に連ねていきます。まずは導入部から。

(1)

 僕は調理師学校を出た直後、とあるご家庭に、調理師として雇われることになった。
 いわゆるセレブなご家庭で、もちろんそこの奥様は料理なんて全然しない。ご家族は、基本的に30前の奥様と、5つになるお嬢様しかいない。旦那様は海外に長期出張中だ。
 聞くところによるとこのご家庭は、これまでも、ちょっとしたシェフを雇っていたらしい。前任者が退職した後、新しい調理師を探していたところに、僕が応募したのだ。面接と簡単な調理を実演したところ、意外なほどすんなりと採用された。
 こうして僕は、この家で働き始めた。しかしそれは、僕にとって恥辱に満ちた日々のはじまりだったのである。

 お屋敷に住み込みで働くことになり、僕にも他のお手伝いさん同様、一室が与えられる。朝は6時に起きて、いつ起きるか、何を召し上がるか判らない奥様のために、一通りのものを準備しておかなければならない。
 起きてすぐ、僕はお手伝いさんの制服に着替える。他のお手伝いさんと全く同じもの……なのだけれど、他のお手伝いさんはみんな女性。そう、その制服は女性用のメイド服なのだ。特に新参のお手伝いは、目立つようにとピンクのメイド服を着用するのが、この家の慣例になっている。僕は他のお手伝いさんに、そのメイド服を着て頭を下げ、ご挨拶をしなければならない。他のお手伝いさんも、僕が男であることは知っている。朝からくすくす笑われながら、僕は奥様のために食事の準備をすることになるのだ。
 朝食は一通りのものからチョイスしてもらうかたちで、お昼と夜は前日、あるいは当日に奥様、お嬢様のリクエストを受けて作ることになる。奥様たちが食事を終えた後は、次の食事のための準備にかかる。
 そう、買い出しも、僕の重要な仕事の一つだ。そして、最も恥ずかしい仕事でもある。このピンクのメイド服を、ご家族や他のお手伝いさんばかりではなく、ご近所中に見られることになるのだから。
 大半の食材はスーパーで取り扱っていないような高級なものばかりなので、直接屋敷に運び込まれる。けれど、奥様やお嬢様は、時々「急にこれが食べたくなった。スーパーの食材で良いから作ってちょうだい」といって、僕に作るよう仰るときがある。そんな時には僕はメイド服のまま買い出しに行って、その料理を作らなければならない。
 外を歩いたり、大型スーパーで買い出しをしていると、痛いほどに周囲からの視線が突き刺さる。この近所の人は、僕の着ているメイド服があのお屋敷の、一番の新人が着るものだと知っている。しかも他のお手伝いさんや奥様が吹聴して回ったせいで、それのメイド服を着ているのがまだ若い男性だと知っている人も多い。僕の容姿は一見すると、カチューシャと長い髪、薄い化粧に補正用下着(いわゆるボディスーツという奴を着せられている)で、女性にしか見えないようになっているけれど、それでも知っている人は知っているのだ。なおさらに、好奇の視線が突き刺さる。
 夜休むときも、女性用のネグリジェ。体毛の処理が義務づけられ、休憩時間であってもティーンズファッションのような可愛いガールズしか、着ることを許されない。悪夢のような生活だった。少なくとも、あのときはそう思っていた。
 しかしそれは、今から考えれば、ほんの序章に過ぎなかったのだ。

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