2ntブログ

十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-05

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Cooked Idol!(3)

 (3)

 僕はまず、衣装作りから取りかかった。
 近くの洋裁用品店に行き、生地と、小物や洋服の作り方が書かれた本を買ってきた。ミシンはもともとお屋敷にあったので、それを借りて作ることにする。
 最初にメイド服のスカートをばっさりと短くして、下にしこむパニエを作る。これによって、スカートはたっぷりと広がりながら、幾重にも重なったパニエで、ひらひらと、ふわふわと揺れる状態になるのだ。
 そしてエプロン。レースやフリルをたっぷりつけ、さらに食材のモチーフを施すと、小学生の女の子でなければ……いや、小学生の女の子でさえ恥ずかしがるようなお子様デザインのエプロンドレスができあがる。もともとパフスリーブだったので、袖口の方は問題ない。
 さらに帽子。ピンクのキャップにこちらもイチゴやサクランボなどの食材があしらわれたデザインだ。こうした食材モチーフは自分の手で一つ一つ作らなくちゃならない。自分を辱める小道具を自分の手で作る……まるで、自分の墓を自分で掘らされているような、嫌な気分だった。
 他のお手伝いさんは、僕の作業を実に楽しそうに見守っていた。作業を手伝う気はないのに、口を出すことはある。その内容の大半は、僕を揶揄するものだった。
「まぁまぁ、可愛いドレスを作ってるのね。そんな服が着たいのかしら」
「小学生が着るようなドレス作ってるなんて……普段着も、小学生みたいにしたらどう?」
 そんなこんなで、僕のメイド服はさらに丈を短くされ、しかも「ピンクのメイド服は新参のお手伝いが着ること」という慣習が、気付けば「ピンクのメイド服は**君(僕だ)専用」に変わってしまい、僕の少し後に着た新しいお手伝いさんも、普通の紺のメイド服が与えられることになった。僕だけが、いつまでもピンクのメイド服。それも、パニエをしこんだミニのメイド服だ。これを着て外に買い物を言いつけられると、いつも他の人から好奇か、あるいは欲情を含んだ目で見られることになる。

 そんな諸々もあったけれど、遂に「真衣ちゃんのエプロンドレス」は完成し、僕はその格好で、お嬢様の前で料理を作ることになった……。

 | HOME |