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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-09

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強制女装考 第一回(2)


 第二回 女装について(2)

 大空ひばりと同じタイプ、つまり外見的にも性格的にも「可愛い女の子」を地でいきながら、性別が男性であることだけが問題である例としてもう一人、新井素子先生の小説『……絶句』に登場する宮前拓くんを出しましょう。テレポーターで外見美少女、サロペットスカートがばっちり似合っちゃう男の子で、吾妻ひでお先生の挿絵も可愛いです。こちらも「決して負けない男」森村一郎に果敢にアタックします。拓くんの場合、自分が男であることに対する葛藤もしっかり描かれていて、なかなか深みのあるキャラクターです。
 つづいては、私が幼少のみぎりに読んだ、れもんちゃん(♀)とらいむくん(♂)とが入れ替わる漫画(タイトルが思い出せません)や、やぶうち優先生の「少女少年」などが挙げられます。……、年数えないでください。
 このうち「少女少年」は、特に興味深い漫画です。全部でⅠからⅦまでありますが、Ⅳをのぞいては「何らかの目的があって芸能界にはいるため、女装してアイドルになる」というプロセスを辿っています。もちろん最初のシーンでは女装に対して羞恥を示しますが、嫌悪を示すことは殆どなく、物語が進むにつれて「女装」も主人公の一部になっていきます。
 またこの漫画では、女装に対するネガティブなイメージはありません。一方で、女性化願望といいますか、主人公が心まで女の子になりきることもありません。最後は女装をやめて、男の子に戻ってお終い、というのが基本線です。
 この辺りのコンセプトは、「少女少年~GO! GO! ICHIGO~」とは異なります。いちごくんはどちらかというとひばりと同じく、性同一性障害に近い特徴を持っています。しかも最後の最後まで女装して終わりますから、主人公の女の子との関係も男女のカップルではなく、むしろレズビアンな状態です。……どうでも良いですけど、このあと杏といちごが****するとき、どっちがどうなるのでしょうね。
 さらに話を進めると、竹宮恵子先生の「behind」に登場する姫こと姫川基くんも、女装シーンがあります。彼の場合女装を楽しんでいる節もありますが、必要があって女装するタイプですし、基本線は男です。あと、青池保子先生の『エロイカより愛をこめて』の主人公、ドリアン・レッド・グローリア伯爵も時々女装します。
 また織田綺先生の「天然はちみつ寮」に登場する桜坂光は、自分から進んで女装をします。ただ彼の場合、ほとんどコスプレ感覚ですね。自分が可愛いから女装しないなんてもったいない、という感覚。本人自ら、「俺は『女装の似合う男』であって『女になりたい男』じゃない」とはっきり述べています。こちらも性同一性障害、あるいは女性化願望の様態を示してはいません。この「天ぱち」の場合、終わり方がけっこう独特で、光は男性として主人公の女の子と付き合いますが、女装はやめません。
 つだみきよ先生の「プリンセス・プリンセス」、略して「プリ・プリ」ですが、男子高校にある「姫」制度で、三人の高校生が女装させられます。こちらは私生活では女装しませんし、漫画自体、少年達の心の葛藤がテーマとなっていますので、なんというのでしょう、女装は非常に二次的というか、付けたりのように感じます。むしろ「女装しても損なわれない男性性」であるがゆえに、女装によって少年性が強調されているようにさえ思えるのです。

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