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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-09

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強制女装考 第一回(1)


 『強制女装考』 第一回 女装について(1)


 えーと、神無月です。本日からはちまちまと、神無月が強制女装について思うところを、思うがままに書き連ねていきたいと思います。

 強制女装、と言うのも面白い現象です。なぜ男性が、社会的には恥とされている女性の装いを求めるのでしょうか。それも他人から強制され、衆人環視の中を引き回される恥辱と屈辱を求めるのでしょうか。
 現代のサブカルチャーは、様々な形で発展しています。ロリコン、ショタコン、やおい、BL、JUNE、少年愛(それぞれジャンルが違うのでややこしいっ)、薔薇、百合、おいや、SM、女王様、さらに触手、妊婦、四肢切断、スカトロジー、幼児退行、おむつなど。ここで網羅していったら、それだけで今日一日分のスペースを使い切ってしまいそうなほど様々なジャンルが飛び交っています。
 その中にあって、強制女装というジャンルもまた、コアなファンを持って一角を形成しています。ですが、この強制女装というジャンルは、いっけん極めて似たジャンルである女装少年とは一線を画します。とんでもないことを言っていると思われるかも知れませんが、強制女装はいわゆる「女装少年」にカテゴライズされるものとは、まったく別物なのです。強制女装を求める方が、自らを重ね合わせるようにして女装少年を好むことはもちろんあると思いますが、本質的にはこの二つはまったく違います。
 まずはこのことを言うために、女装少年の歴史について、ざっと振り返ってみましょう。乏しい知識で恐縮ですが、補足すべきがあればどんどんご指摘下さい。

 女装少年の嚆矢は、なんと言っても江口寿史先生の漫画『ストップ!!ひばりくん!』に登場する大空ひばりくん。いえ、もちろん『鉄腕アトム』や『バンパイヤ』にも女装シーンはありますし、永井豪の『おいら女蛮!』でも女装する悪童が出てきますが、これはもう必要に迫られての女装だったり、あるいは少年のエキセントリック性を強調するだけの物ですので、割愛します。
 それで、ひばりくんです。彼はやくざの一族大空組の一人息子でありながら、美少女の外見と、ちょっとコケティッシュな心を持ち、同居することになった主人公に迫ります。その勢いたるや、夜中に彼のベッドに潜り込み、ベビードール一枚で迫るほど。
 これは、すでに他の方が指摘なさっている(*)ことですが、ひばりくんは完全に「(男性にとって)理想的な美少女」としての特質を持っていて、ただ男性であることだけが問題なわけです。ですから、主人公の少年も据え膳に手をつけようとしないわけで、そこでドタバタラブコメディ、他の女の子が出てきたり男だとばれそうになったり、いろいろとあるわけですね。
 女装というジャンルから見れば、ひばりくんは明らかに性同一性障害、それも性的に女性として扱われたいというトランスセクシュアルの特徴を示しています。男性が女装する事への抵抗や恥じらいは全くなく、それどころか特別なことをしている意識さえありません。彼にとっては女装しているのが自然なので、むしろ男の子の服を着せられたとすれば、その方が違和感を感じるのでしょう。
 
 (続く)

  * 中島梓『コミュニケーション不全症候群』(筑摩書店)

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