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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-03

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体験入学 第二章(5)


(5)

 ボレロ、ベレー帽、ジャンパースカート、ブラウスと、大人しく脱いで行きながらも、武生は怯えた。二人の性格からして、どのみちこの「お仕置き服」を着せられることは、もはや確定事項だった。しかしそれでも、
「ね、ねぇ、このお部屋の中だけでだよね? お外に連れて行かないよね?」
 精一杯可愛い口調で尋ねる。翠はにんまりと笑いながら、
「もちろんよ。ただし、ゆずかちゃんがいい子にしてたらね?」
「うん、ゆずか、いい子にしてる。だから……」
「じゃあまずは、悪い子専用の制服を着なさいね?」
「はぁい」
 愛想を振りまきながら、武生は大人しくそれを着る。
 構造は長袖のワンピースに近いし、伸縮性のある素材なので、かぶるように着ればいい。しかもほとんどフリーサイズなので、かなりぶかぶかだ。ウエストのフリルを押し下げて、股下のスナップを留めようとしたところで、翠から声がかかった。
「あ、忘れてたわ。ショーツも脱いで、横になって自分でおむつをつけなさい」
 武生は恥ずかしそうに、ぎゅっと目を閉じた。
 そう、これこそがこの「お仕置き服」が嫌がられる、最大の理由だった。ショーツを脱いで大人しく仰向けになった武生の前にかがんだ、翠の手にあるのは紙おむつ。そう、この「お仕置き服」は、下に紙おむつをつけなければならないのである。
「本当に武生くん、大人しいわね。すっかりゆずかちゃんね」
 茜が笑う。先ほどから、「武生」と「ゆずか」を混ぜて喋っているのは、それが彼に対して恥辱を与えるに効果的であると、判っているからだ。本当は男なのだと言いつつ、女の子として扱っているのだ。
 クロッチのボタンを外した状態で、仰向けになり、おむつを受け取る。他人におむつを当てられるのも恥ずかしいが、自分ひとりでおむつをつけるのも極めて恥ずかしい。自分の手で、自分の意思でおむつをつけているのだ。
 ロンパースの股下部分を巻き込まないよう気をつけながら、お尻の下におむつを敷き込み、密着させるようにして前当てを手前に引く。そして横羽を前当てに接着し、固定する。本当にお漏らしをすることは前提にしていないので、当てるのは一枚だけだが、それでも十分恥ずかしい。
 クロッチ部分のスナップボタンを留め、布をおむつの下に滑り込ませるようにして、おむつが出ないようにする。最後にフリルを整えれば、ロンパースの着用は完成する。
 上半身は、まるで長袖のブラウスとワンピースを着たような見た目ながら、下半身は太腿から丸出しになる。幼稚園児でさえ嫌がる理由は、この、いかにも赤ちゃん然としたデザインにあった。
「さっさとしなさいね。でないと、このまま給食体験になるわよ」
「は、はぁい!」
 言われて焦る武生。残る小物を、翠の手から受け取って急いでつけてゆく。ベビーフードのような、頭全体を覆うフリルのついた帽子。さらにピンクの生地でできたソックスに、ミトン。このソックスは中敷きが下方向に丸くなっており、これをはいた状態だと、フローリングの床の上ではまともに歩くことができなくなる。しかも生地が滑らかなので、はいはいしていても上手く歩けない、そんな代物なのだ。
 最後に渡されたものを見て、一瞬躊躇する武生。しかしそれが命取りになってはと、彼は素直にそれを口にくわえた。――そう、それはレモンイエローの、可愛らしいおしゃぶりだったのだ。
 ロンパースだけではない。この「お仕置き服」は、幼稚園児を赤ん坊のように扱う、そんな恥辱に満ちた衣装だった。
 それを見た茜は、一言。
「じゃあ、行きましょうか」

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