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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-08

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テンプレ変更。

 神無月です。

 以前から、黒地のテンプレートは読みづらいかなと感じておりましたので、さっぱりとしたデザインのものに変更しました。以後はこれでいきますので、どうぞよろしくっ。

乙女座の園 第7エリア(1)

  第7エリア ナイトパレード《Cendorillons》


 (1)

 良介が、円香と待ち合わせをした《乙女座の園》最寄り駅に到着したとき、約束の時間までまだ10分ほどあった。
 駅前には《乙女座の園》に向かうための待ち合わせだろうか、かなり多くの女性がいる。リピーターなのか、《乙女座の園》の中で売られているドレスやカチューシャを身につけている人も多い。それを見ていると、良介はちょっと嬉しくなった。
 駅前は、お世辞にもテーマパーク前の雰囲気を醸し出しているとは言いがたいものだった。小さなロータリー。どこにでもありそうな駅ビル。せいぜい、《乙女座の園》へ向かう道に向けて、判りやすい案内がある程度だ。
 それを見ながら良介は、これはこの町にも働きかけて、駅前そのものから作り替えてもらえるよう働きかけた方が良いかしらん、と考えていた。手帳を取り出して、駅前で改善すべきポイントを書き出していく。
 まずはこの駅ビルだ。もうちょっとメルヒェンなものにしてもらった方が良いだろう。舞浜のように、駅を下りた瞬間から夢の国を思わせるようにした方が圧倒的に有利だ。また、舞浜と違うのは、この辺りにはまだまだ工業地帯の名残が残ってることだ。これは、なかなか上手くは行かないかも知れない。
 などと考えていると、
「お待たせー!」
 背後から女性の声が聞こえた。振り向くと、向こうから月織円香が走ってくるのが見えた。良介に向かって、満面の笑みを浮かべている。学生時代には冷たい美人という感じだったが、こうして笑顔を見せると、伶俐な印象はそのままに華やかさを増していた。
 良介の前まで来ると、彼女は肩で息をついた。
「ごめーん、有沢くん。待った?」
「全然。今来たところ。それに、まだ約束の時間には早いくらいだし」
 良介は笑って時計を見る。約束の時間の五分前だった。
「それにしても、あんな遠目で、良く俺だって判ったね」
「うーん。あんまり迷わなかったな。ほら、顔じゃなくて背格好が、有沢君みたいに細い男の子って珍しいから」
「嬉しいのか、嬉しくないのか……」
 円香の言葉に、良介は大げさに肩を落とす。円香はその方をぱんぱんと叩いて、
「気にしない気にしない。大体あたしだって、ちっとも女の子らしい体格じゃないもの」
「そう? 月織さんは……」
 良介は改めて円香の全身を眺め、反対するような言葉を言おうとして……ちょっと押し黙った。確かに彼女は、「女の子」らしい体格ではなかった。
 学生のころは、背も高く、モデルばりのスタイルで男子学生の視線を集めていた彼女だが、こうしてみると、確かに背は高いものの胸は薄く、体つきもがっしりしている。無駄な肉は付いていないが、逆に「女の子」らしくはなかった。むしろ、アメリカのスーパーウーマンを思わせる。しかし胸が小さいため、グラマラスなモデル体型でもなく、どうにも中途半端だった。
 とっさにどうフォローすればよいか判らず、良介は言葉を失った。

連絡。

 こんばんは、神無月です。

 まずは水川様のサイトより、新作発売のご案内。
 作品のタイトルは「嗜虐な天使達(赤ちゃんモデル編)」。男の子が女児モデル、さらには赤ちゃんとして……な展開になっております。水川様の真骨頂という感じで、素晴らしい作品です。
 前回はわたくし神無月がイラストをやらせていただきましたが、今回は新しい方がイラストをなさっておられます。いやぁ、さすがに上手いですね。脱帽いたしますとともに、神無月もいっそう精進しなければ、と思います。
 そんなわけで、神無月のイラストに関するご感想、あるいはご批判、こうした方が良いのではないかという点など、募集しております。辛口コメントでも構いませんので、どんどんお寄せ下さいな。

 さて、続いてもう一点。
 神無月が途中で放り出してしまったサイト掲載作品「復讐」ですが、そのあとの展開として短いお話を書いて下さる方がいらっしゃいました。あか様、この場を借りてお礼を申し上げます。来週にでもサイトの方にページを設けたいと思いますので、いましばらくお待ちいただければと思います。

 それでは明日から第7エリア。なにやらいろいろと遅れ気味ですが、どうぞご期待下さい。

乙女座の園 間章7

  間章7 ゴシックハウス《Phantasmagorie》

 授業開始2分まえ。教室内の生徒たちは、授業の準備をするものと、ぎりぎりまでおしゃべりに興じるものとに大別される。僕の隣の席でたむろって入る女子3人は後者、予習したノートを見直している僕は前者だ。
 女三人寄れば何とやらと言うけれど、隣で話す女子はずいぶんと大声でしゃべっていた。聞きたくもないのに、その内容が聞こえてくる。どうやら先週末、神奈川県内にオープンしたばかりのテーマパーク《乙女座の園》に行ってきたらしい。
 それを横で聞きながら、僕は内心冷や冷やしていた。実は昨日僕も《乙女座の園》に行っていたのだから。ばったり出くわさなかったのは、本当に幸運だった。
 僕には別に、女装趣味はない。ただ、一緒に行く予定だった友人に土壇場でキャンセルされ、1人で行くのを嫌がった姉が、僕に女装させて、強引に連れて行ったのである。もともと僕は、体つきが細くて髪も長い。女物のジーンズとシャツを着て、胸に詰め物をしたところ、怪しまれずにはいることが出来た。
 中に入ってからは、あくまで姉の付き添いのようなかたちで、あまり口をきかず、「寡黙な少女」を演じきった。姉はフォトスタジオに連れ込んで色々とドレスを着せたがっていたが、僕は黙りを決め込んで、結局怪しまれないよう、姉は僕に女装させることを諦めた。だから《乙女座の園》に入ったと行っても、それほど過激な女装はさせられずに済んだのだ。
 と、授業開始の本鈴が鳴り、おしゃべりしていた3人のうち、2人が席に戻ってゆく。僕は机の中に右手を入れ、筆箱を取り出そうとしたところで、中に1枚の紙が入っているのに気付いた。
 なんだろう。机の中からとりだしてみると、見覚えのない写真だった。
 それを見た瞬間、僕は真っ青になって、隣を振り向いた。
 隣の少女は、僕に視線を向けないまま、にやりと笑った。
 映っているのは、《乙女座の園》のカフェ《Sweet Spirits》店内。そして、そこで姉と一緒にケーキをつついている僕の姿。
 写真を裏返すと、そこには短くこうあった。

「放課後、女子テニス部の部室に来なさい」

「八王子姫」

 こんばんは、神無月です。

 ダイガ様、教えてくださりありがとうございます。やはり最初は痛いだけですよね……。ただ、痛いだけだとあんまりなので、そこそこ気持ちよく感じることにしてあります。 そうでないと、何か本当に一方的なレイプですから。
 リアリズムを追究してただただ痛いだけにするべきなのか、それとも、気持ちいいと感じるようにした方が良いのか、難しいですね。

 さて。いま私の手元には、『八王子姫』(著・海野幸、シャレード文庫)なる小説があります。これがなかなか、途中までは「強制女装小説」といっていいほどの展開を見せるのです。
 姉の着せ替え人形としてロリィタ服を着せられる主人公の男の子に、アルバイト先の先輩が猛烈なアタックをかける。しかし実は……。というような。特にむりやり八王子駅前を歩き回らされるシーンなんかは「女装小説」そのものです。特に神無月は地元が近いので、ナマナマしく読めて楽しかったです(笑)。

 こうしてみると、女装小説とBL、あるいはやおい小説というのは似ているのかな、とも思います。ですが、それについての考察はまたいずれ。

 明日からまた「乙女座の園」を少しずつ更新していきますので、乞うご期待。

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