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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-06

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乙女座の園 第3エリア(2)

 リンクに、合丼来来様の運営する「オシッコオモラシ漫画・オムツシーン収集所・フェチ小説用データベース」を追加いたしました。興味のある方は、どうぞお立ち寄り下さい。

 さて、本日も開幕っ。

 * * *

(2)

「まぁ、客を取られた腹癒せに、徹底的に調べたからね」
 良介は慎重に答えた。彼女の話がどちらに向かうのか、およそ見当がつかなかった。円香はまたしても、話題を変えた。
「ねぇ、有沢くんって、妹さんとかいる?」
「いないけど……何で?」
「だから、有沢くんに似た人がいたんだって。女の子の従業員でね、すっごく可愛い服着てたの。顔も可愛かったから、凄く似合ってたなぁ」
「俺に似てたら可愛くないと思うけど」
「そんなこと無いわよ。だって大学の時だって、有沢くんに女装させたらさぞ似合うだろうなって、結構話題だったもの」
 あの頃そんなことを話してたのか。良介はがっくりと脱力した。
「……こほん。で、そういえば月織さんは何してるの? 院?」
 そう言ったのは話を逸らすためと、円香が研究職を目指しているのを知っていたからだ。しかし彼女は首を振って、
「ううん、いまは働いてるの。本当は院に行きたかったんだけど、家庭の事情で、ね」
「……、悪いことを聞いちゃったかな」
「いいのよ。それよりも、そのうち会えない? 私は週末なら、割といつでも大丈夫だから」
 良介はぎょっとした。かつての学部一の美人から、「会えない?」と誘われたのだ。今の姿はさておいて、普通の男性である良介にとっては魅力的なお誘いだ。
「うん、俺の方も、久しぶりに会いたいな。土日なら……あ、今週は無理か。来週末なら何とか」
「じゃあ、日曜日にしましょ。場所と時間は、前の日に知らせるわ。直前まではお楽しみで」
「オーケー。月織さんを信じて任せるよ」
「ありがと、決まりね。楽しみにしてる」
「うん。こちらこそ」
 その後少し、互いの近況や知人の消息などを話した後、電話を切った。
 ふぅ、と溜息をついた後、良介は食事を再開する。しかし、落ち着かない。円香から電話が来たせいで、自分が男であるという自覚が急速に戻ってきたのだ。男性ならすることのない化粧と服装が、女装したての頃のような違和感を訴える。
 やむなく彼は、食事を中断して風呂に入り、化粧を落として寝間着に着替えた。明日からまた、あんなOL風のスタイルで出勤するのか。綺麗にハンガーに掛けられたジャケットとスカートを見ながら、良介は、明日はせめてパンツスタイルで出勤しようと決意した。

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