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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-06

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乙女座の園 第2エリア(4)

 神無月です。この時間に更新するのは久々ですが……。

 どうでもいいお話。
 中国のサイトに、「淘宝网」というサイトがありまして、そのなかに「女装服飾広場」というページがあります(中国サイトで色々不安があるため、直リンはしません。私が見た限りでは安全でしたが、興味のある方は中国の検索サイト「百度」などからお探し下さい)
 どんなページかと思って見てみると……予想とは違う方向ですが、非常に楽しめました。どうやら中国語で「女装」という場合、文字通り「女性用衣料」の意味で、「男性が女性の衣服を着ること」のみの意味ではないようです。でも、「人気女装」「流行女装」など、見ていてなかなか楽しいです。妄想が膨らみます。
 またそこに掲載されているお洋服も、可愛らしいものばかり。日本のメーカーとはまた違って、「スタイリッシュ<可愛い」ものが多いので、見ていて飽きません。興味のある方はぜひどうぞ。
 一枚だけ参考に張っておきます。
taobao1

 さて、それでは続きをどうぞ。

(4)

 OL制服のまま、事務所の隣のビルに入っている撮影スタジオへ。
 ポスターの作成は、一人一人がポーズをとって撮影した写真を、背景を消去して合成する形で行う。聞いただけでは難しそうに見える作業だが、背景の色を、被写体の肌の色や服の色とかぶらないようにすれば、市販の写真編集ソフトで十分行える作業だった。
 宣伝部長が良介に渡したのは、例の《Lakeside Swan》の添乗員のお仕着せ。足にぴったりしたタイツを履き、背中をきつく縛って体のラインを細くすると、
「やっぱ似合うねぇ。うちの息子の嫁にほしいくらいだ」
 本当に、平均的な体系よりはやや細身の女性が、白鳥のような白いチュチュを着ているようにしか見えない。本当に、バレエに立てそうだ。
 しかし良介としては、落ち着かないことこの上なかった。特に、ここ一週間体毛はきっちり剃っているので、タイツのすべすべの感触が、直接肌に伝わるのだ。足にはトウシューズをつけ、顔にはバレエのような濃い目のメイク。自分の顔がきれいになっても嬉しくはないが、元の顔立ちが判らなくなるのは有難かった。
 髪はもともと肩まであったところに、先月から少し伸ばしていたので、そのままに。どのみち、白いファーの帽子をかぶるので目立たない。
 衣装も調い、いよいよ撮影開始。恥ずかしさをこらえながら、両手を大きく広げたり、にっこりほほ笑んでお辞儀したりと、恥ずかしいポーズの数々を決めた。
 恥ずかしさをこらえて撮影に応じること一時間にして、やっと終わった。良介がほっと一息ついたところで、宣伝部長はとんでもないことを言いだした。
「やや、済まないりさちゃん。とんだうっかり八兵衛だ」
「……フィルムが入ってなかったとか、言わないですよね」
 ジト目で見る良介。宣伝部長は、大きく首を振った。
「安心しろ、そうじゃない。心配しなくても、今さっきのりさちゃんのかわいい姿はばっちり撮れてる。ただ問題は、ポスターでりさちゃんにやってほしいのは、《Lakeside Swan》の衣装じゃなかったんだ。つまりまぁ、着替えて撮り直しってことだな」
 がっくり肩を落とす良介の腕を、宣伝部長は掴んで引き起こす。そして、着替え室まで引っ張っていった。ポスターの企画書とその進捗状況を記した書類を見ながら、
「えーと、こいつだこいつ。ほれ、女子大生御用達のボヘミアン柄シフォンワンピにデニムのミニボレロだ。ウィッグはつけてやる。頭の上にボリュームをつけて、ふわふわにするんだ。小悪魔風ってやつだな」
「つまり、お客さん役ですか!?」
「何だ不満か。くぅっ、りさちゃんの頼みとあっちゃ断れねぇ。撮影済みだが差し替えで、ポスターの中央を大きく飾るシンデレラをやってもらうしか……!」
「わ、判りました。お客さんでいいです、いや、お客さん役がいいですっ! おとなしく着ますから、シンデレラの衣装を探しに行かないで下さい!」
 結局良介は、姫ギャル風女子大生の姿になり、テーマパークの夢のような光景に目を輝かせるお客さんの役として、関東圏内三〇〇〇ヵ所、全国五〇〇〇ヵ所に設置されるポスターに載ることになった。
 また、撮影の後も着替えは許されず、今日一日この服で働くことになり、留美が大喜びすることになったのだが、それはごくごく些細な一幕だった。

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