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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-04

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強制女装についてのあれこれ

 強制女装、と簡単に言いますが、何をもって「強制」とするのか、またどういったものが好まれるのか、色々と個人差があると思います。
 そこで本日は、私の考える「強制女装」のあれこれについて書き綴っていきたいと思います。戯れ言ですが、良ければお付き合い下さいな。

 「強制」は非常に重要なキィ・ワードです。
 シチュエーションとしては、例えば誰かに脅迫されて、あるいは自業自得で、あるいは誰かの願いによってと、色々考えられますが、重要なのは「本人が女装を嫌がっている」こと。少なくとも、表層的な意識では恥ずかしく、嫌だと感じてくれなければ困ります。
 そのため、催眠術、薬物系は出来る限り使いたくないのが本音なのです。
 このような医学的な方法だと、虐められている側は「催眠術を受けてるんだから仕方ない」「薬を投与されたから抵抗できない」と言い訳ができます。それではつまらない。
 そうじゃなくて、肉体的には抵抗できる状態でありながら、社会的・心理的・精神的要因から抵抗が封じられ、屈辱を感じながらも女装させられる。そんなシチュエーションが好きですね。

 珍しく、神無月自身の話を。

 かくいう私も、このような作品群を書き綴っている理由には、「こんな風にされたい」という願望があるのです。ですが、それを口に出した瞬間、その女装は「自ら望んだ女装」でしかなく、「強制女装」ではなくなってしまうので難しいところ。一時は女装に手を出したこともありますが、以上のような理由から、長続きはしませんでした。
 自分の意思で女装するのではなく、あくまで、他人から強要されたものとしての女装でなければいけない。我ながら、難儀な願望です。
 そんな私にとって、次の言葉は、まさに至言ですね。佐和というのは、M男性の主人公を強引に犯し、飼い慣らすS男性です。

「僕は、女に生まれたかったんだ!」
「僕は、ひそかな白日夢の中で、まさしく佐和を夢見ていたのだった。ある圧倒的な力に支配され、征服され、ひきまわされること。……しかもそれを、僕がのぞんだこととしてでなく、向うから強いられたこととしてうけること」(栗本薫「真夜中の切り裂きジャック」)

 女装シーンこそありませんが、この「真夜中の切り裂きジャック」は、M気のある自分にとっては非常に共感できる作品でした。興味のある方はぜひどうぞ。
 それでは、そんな非日常的な世界を夢見つつ、本日はこれにて閉幕。

『体験入学』終わり~

 どうも、神無月です。

 遂に長々と連載してきました『体験入学』も、これにて終了と相成りました。今までご覧下さった皆様には、満腔の感謝を献げます。拙い文章ではありましたが、楽しんでいただけたなら望外の喜びです。
 ひとまず『体験入学』は終了となりますので、作品に対するご意見・ご感想をお寄せ下さると嬉しいです。
 この話をもとに色々と派生もできそうなので、何か妄想が膨らんだ方は、ご気軽にコメントにどうぞ。

 ではでは、次回作の長編はまだまだ話半ばで停止しておりますので、近日中には中継ぎに、新しい話を連載したいと思います。今後も期待せずにお待ち下さい。

体験入学 第四章 Part.11

「……隣は元気ね」
「一二歳と一五歳の少年二人が恋人同士で、一緒にいたいがために小学校に女子として編入。……世も末ね」
「まぁ、問題はないんじゃない? あたしは嫌いじゃないわ」
「あらお姉ちゃん。あたしだって悪いとは言ってないし、嫌いでもないわよ?」
 少年二人の客間を隣にした、別の客間。翠と茜はこの部屋のベッド脇に置かれたチェアに座って、のんびりとくつろいでいた。いかに壁が厚く防音性に優れた部屋とはいえ、何の遠慮もなしにぎゃんぎゃん喚く二人の声は、どうしても隣室に聞こえてくる。
「……でさ、どうしても確認したいんだけど」
 ベッドの中から声を出したのは、武生だった。首元まで布団をかけ、恨みがましい目つきで姉妹を眺めていた。
「今日、確実に俺の親が見つけるようなタイミングであの封筒が届いて――その日に限って、この家に児童会のみんなが一斉にやってきていたのが偶然だなんて、言わないよね?」
「ええ。だいたい、あの封筒の切手には消印がついていなかったの、気付かなかった?」
 茜は平然と答える。
 武生が家族に内緒で回収できないタイミングを見計らい、あの封筒を柚川宅の郵便受けに入れる。それにより、武生が家を出ざるをえないように仕向けたのだ。また一方で、この一件での協力者――悟、七菜の二人と、首謀者である瑠璃を集めておいた。
 さらに由音と来夏にすべての事情を明かし、瑠璃と武生の面会の場に潜ませておいて、フォローに当たらせた。彼女たち二人は、今日になって初めてすべての事情を知らされたらしい。それまでは翠や茜の思惑とは関係なく、悟や七菜をいじめて遊んでいただけのようだ。事情を知らされた彼女たち二人も、喜んで協力に当たった。
 そして武生を試し――さらに首謀者であるはずの瑠璃をあざむき、巧みに誘導することで、何とかこの大団円に持ち込んだのだった。それでも、武生がどのように返事をするかは出たとこ勝負の大ばくち。茜も翠も、かなり気を揉んだらしい。
 そこまでの事情を聞かされた武生は、ひときわ大きな溜息をついた。確かにそれなら、ご都合主義的なまでに「運が良く」「間がよい」いままでのあれこれも納得できる。
 思えば最初から、すべてこうなるように回っていた気さえする。しかしそれが結果として、決して悪くはなかったことも、いまなら判る。家族にうんざりしながらも離れられず、遠くの大学に行って自立するほどの覇気もなく、漫然と過ごしていた日々。そんな柚川武生の日々はここで終わり――そして、深山小学校への入学を目指す幼稚園児、竹尾ゆずかの人生が始まるのだ。
 それにここ二ヶ月の中で、竹尾ゆずかとして深山小学校の入学試験勉強をしているときのほうが、大学受験の勉強をしているときよりも、はるかに速いペースで学力が伸びていくのを感じていた。その方が、自分に合っているのだろう。
 ならば――ゆずかでも、いいじゃないか。
 茜と翠が、ベッド脇のチェアから立ち上がった。翠が武生の顔をのぞき込んで、優しく髪を撫でる。
「お休み、武生。そして、さようなら」
「うん。……おやすみ、酒匂」
 にっこり笑って目をつむると、やがて二人は部屋を出て行き、灯りが消される。暗闇の中布団に入った武生は、布団の下でパジャマに手を当てた。すでに、ゆずか誕生の準備は整っている。
 そうして武生は、ゆっくりと永い眠りについた……。

 * * *

「おはよう、ゆずかちゃん。朝よ!」
「あ、おはようございますっ、翠お姉ちゃん!」
「おはよう、ゆずかちゃん。今日も元気ね」
「茜お姉ちゃんも、おはようございますっ! うんっ、ゆずか、今日も元気だよっ!」
「そう。ゆずかちゃんはいい子ね。よく眠れたかしら?」
「うん、あのね、お布団がふかふかで、凄く気持ちよかったの。雲の上にいるみたい。だから、とってもよく眠れたよ。――あれ、その子、だぁれ?」
「あ、この子、私たちの妹なの。瑠璃っていうのよ。ゆずかちゃんと同い年だし、これから一緒に暮らすことになるから、仲良くしてね」
「はぁい。ね、るりちゃん、あたし、ゆずかって言うの。よろしくね」
「ゆずかちゃん。とっても可愛いお名前ね。あたし、るり。ゆずかちゃんと仲良くなりたいな」
「えへへ、ありがと。るりちゃん、これからよろしくね」
「うん、ゆずかちゃん、こっちこそよろしくっ!」
                     Fin.

体験入学 第四章 Part.10

「……よかったね、サト」
「少しも良くない」
 大まかな状況を茜から聞き、安心して、客間の個室に戻った悟と七菜。
 悟はすねた表情で、ほぼ四歳年上の下級生を見る。ソファで身を寄せ合う二人の両手指はかたく絡み合い、互いの顔も吐息がかかるほど近い。
「これで、ナナとも離れ離れじゃないか。いままでは瑠璃ちゃんのためっていうのを口実にして頻繁に会えたし、同じ学校の児童会にいたから、まだよかったけど……卒業したらナナに会えなくなっちゃう……」
「ばぁか」
 すねる悟を、七菜はくすくす笑いならが見つめる。一瞬、二人の唇が交差した。
「連絡すれば、いつだって会えるじゃない。お休みの日だって……その、平日だって、無理すれば会えるし」
「いつも一緒じゃなきゃ、意味はないもん」
「……サトって本当、子供みたいだな。あ、子供か」
「下級生に言われたくないっ」
 顔を寄せながらくすくす笑い合う二人。ふと思い出したように、七菜は言った。
「そうそう、神奈川の方に、全寮制の私立小学校があるらしいよ。何でも、中学生までなら再教育特別枠で入学できるらしいね。学年も選べるって」
「へ? そ、……それって、ナナ……」
「深山にいて、自分が小学生の女の子で通用するって判ったし、瑠璃ちゃんのことはゆずかちゃんに任せておけば大丈夫だろうから、そろそろ転校しようかなぁ……深山からなら、大抵の私立小学校が受け入れてくれるしね」
「ナナぁっ! それってつまり、僕にもそこに来いって言いたいの?」
「いやぁ、そんなことは言ってないけど……そうそう、その小学校、入学の申し込みがそろそろ始まるそうだし、入試もかなり厳しいって言うから、早めに準備しておいた方が……」
「言ってるっ! 絶対そこに来いって言ってるっ!」
「僕は女子として入寮するだろうから、ルームメイトになりたいんなら、女子として入ってくるしかないかなぁ。うちの校長先生に話せば何とかしてくれるかも知れないけど、女の子になるなんてサトには無理だろうなぁ」
「行くっ! 絶対行くからっ! そうだ、翠さんに頼んで、柚川くんが受けたっていう女の子になる特訓を――」

体験入学 第四章 Part.9


 * * *

「……芝居がかったやつ。最後まで冷や冷やさせてくれたわね」
「まったく。でも、よかったわ。あそこで友達になってあげるなんて言ってたら、即座に追い出したところだもの」
 瑠璃一人が取り残されたはずの暗闇の室内に、ひそひそと笑いが響く。その声は、由音と来夏のものだった。
 ぱちんという音とともに電気がつき、室内の闇が駆逐される。そこに浮かび上がったのは、灯りのスイッチに手をかける来夏の姿と、蝋燭の火を吹き消す由音の姿。
 不意に室内が明るくなり、呆然としていた瑠璃は二人の少女を見る。しかしまだ、目の前の事態に頭がついていけない。そんな彼女に、二人は笑顔で言った。
「良かったね、瑠璃ちゃん。明日新しく、このうちに女の子が来るんだって」
「ええ。武生お兄ちゃんのことは残念だったけど、結果的には良かったわね」
 にっこり笑いながら白々しいことを言う二人。それを聞いてやっと、瑠璃は声を上げた。
「え、じゃ、じゃあ最後のあれは……えぇーっ! ってことは二人とももしかして、武生お兄ちゃんにことらわ……断られるって、わかってたのぉ、ねぇっ!?」
 あまりに年齢相応の叫びに、由音と来夏はくすくす笑って視線を交わす。
「そりゃあそうよ。瑠璃ちゃんは同情を引くようなやり方で、お友達になって欲しいなんてこと言うんですもの。まともな判断すれば、ふつう、断るわよ」
「お友達になる、っていうのと、瑠璃ちゃん可哀想っ、僕にできることなら協力しますっ、ていうのはちがうものね。そうそう、瑠璃ちゃんは勘違いしてたみたいだけど、大庭会長だって瑠璃ちゃんのために協力してたのよ? 七菜に道ならぬ恋をしていたのも事実だけどさ」
「ええ。ただ彼の場合、瑠璃ちゃんとは全く関係なく、自分から女の子になる事情がなかった。だから自分は相応しくない、そう思ったんじゃないかしら」
「その点、柚川さんの方が適任だったね。彼なら、瑠璃ちゃんの意思とは全く関係なく、自分から小さい女の子になってやり直さなければいけない状況に置かれたんだもの……しかも自分の意思で、それを選んだ。瑠璃ちゃんたちの画策は別にしてもね」
「そうして、このうちに引き取られた女の子として瑠璃ちゃんと仲良くなる、そういう状況を作り出せる。理想的だったわね」
 二人だけで話を進める由音と来夏に、瑠璃は泣きそうな声で叫んだ。
「ちょっとぉ、二人で納得してないでよぉっ! じゃ、じゃあっ、お姉ちゃんたちが、武生お兄ちゃんにこう言ったほうがいい、こうすればお友達になってくれるはずだって言って、瑠璃に教えてくれたのは、全部、」
「うん、柚川くんを試すための口実」
 しれっとした顔で、由音。放心して、今度こそ涙をぽろぽろこぼす瑠璃の頭を、来夏がよしよしと撫でてやる。
「頭はよくても、この辺りはまだまだお子様ね。可愛いったらないわ。……ねぇ、そんなことより瑠璃ちゃん、明日になったらこの家に、新しく女の子が来るわ。瑠璃ちゃんと同い年だから、仲良くなれるといいわね」
「うん、……うんっ!」
 涙を流しながら、瑠璃は頭を大きく振る。それを見て、由音と来夏はにっこり笑い、瑠璃の頬に口づけた。

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