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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2010-06

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『女児転生』第二章 (8)


  (8)

 ──数分後。
 俺は三人の女の子に囲まれて、秋穂ちゃんの部屋にいた。女の子たちがそれぞれ寛いだ格好でいる中で、俺だけが正座させられている。野崎冬花というこの少女が、提案したことだった。「秋穂をいじめた罰」というのがその理由だったが、確かに効果抜群だ。脚の痛みが、この上なく屈辱感を増大する。
 しかもその格好で、俺は今日ここに至るまでの経緯を、彼らに説明させられた。小学生のような女子制服を着せられたこと、女児下着姿をクラスメイトたちの前に晒したこと、ブルマーで授業を受けさせられたこと、うんぬん。
「──多少は同情するけど、でも半ば以上あなたのせいね。しかもその苛々を秋奈にぶつけたのだから、弁護の余地はないわ」
 話を聞き終わって最初に口を開いたのは、眼鏡少女のアリナ──海潮有里奈(うしおありな)だった。まったくの正論で、俺は別種の羞恥に赤くなる。
「くくっ、それにしても、高校生が女の子の制服を着るなんてねぇ。うちの学校の制服も、似合いそうじゃない」
 冬花ちゃんは意地悪く笑いながら、とんでもないことを言い出した。
 俺は口ごもった。とっさにまた、致命的なことをいってしまいはしないかと懸念したのだ。しかしその隙に、
「あ、うん、そだねー。お兄ちゃん、あたしの制服着てみる? 可愛いわよ、ほら」
 いやなパターンだ。泣く子と地頭には勝てぬ、というフレーズが、唐突に頭に思い浮かんだ。学校で女装させられたときとは違う意味で、逃げ道がない。ましてや秋穂ちゃんには、冬花ちゃんという参謀がついていて、あの屈辱的な映像を握っているのだ。彼女たちの意を迎えるようなことを、俺じしんが自発的にしたと思われる形でしなければならないのだ。下手をすればそれを録音されて、さらなる悪夢が待っているかも知れない。しかし──
「知ってる、お隣のお兄ちゃん? 動画のアップロードって、思ったよりも簡単にできるのよ?」
 退路を封じるように、冬花ちゃんが釘を刺す。この少女ならば、そのくらいのことはやりかねない。
 俺が黙り込んでいるあいだに秋穂ちゃんは立ち上がり、壁に掛かっている自分の制服を持ってきた。襟と袖口に紺のラインを用いた、セーラーワンピース。デザインには幼さが残っているものの、配色自体は清楚なものだった。
「ね、お兄ちゃん、秋穂の制服、着てみたい?」
「あ…………」
 これを着せられる──と考えただけで、ペニスの根本がきゅっとしまるような感覚がある。穿くまでもなく、袖口のすぼまりからスカートのひらひらまで想像できてしまう。高校生でありながら、本物の小学生の目の前で制服を着せられる──そのことに、俺はぞっとした。
 しかし、断ることは出来ない。いや、それどころか、
「あ、ああ。秋穂ちゃんの制服、着て、みたい、な……」
 自分から女装をおねだりしなければならないことに──
「だめよ」
 とつぜん、冬花ちゃんが俺の声を遮った。見ると、彼女は腕組みしながら冷笑を浮かべて、
「ね、秋穂。このお兄ちゃんだったら、秋穂ちゃんのいまの制服じゃなくて、4年前まで着ていた制服のほうが、似合うと思わない?」
「あ、うん! そうだね!」
 秋穂ちゃんは嬉しそうに叫び──ちょっと待て。いま、なんて言った?
「えーとね、秋穂が一昨年まで着てた、幼稚園の制服! 確かまだ、どこかにしまっておいたはずなんだけど……」
 幼稚園。小学生の制服だってありえないほどに恥ずかしい思いをしたのに、まして幼稚園の制服なんて──
「二人とも、忘れてるみたいだけど」
 するとこれまで、無関心そうに話を聞くだけだった有里奈ちゃんが、口を挟んだ。
「秋穂って、この二、三年でずいぶん背が伸びたんでしょ? だとしたら、幼稚園だったころの制服が残っていたとしても、そこの高校生のお兄ちゃんに、着られるわけないと思うな」
「それも、そうね」
 冬花は残念そうに言う。ほっ。サイズが合わなければ、着せるわけにはいかないだろう。助かった、と安堵の息をついたとき、
「そうね。それなら、新しく作ってもらいましょ」
 冬花ちゃん、いったい何を──!?
「駅前の制服専門店で、つくってもらえたはずだもの。それにたしか、サンプルの無料貸し出しもやっていたはずだし──うん、決めた! これからそのお店に行って、このお兄ちゃんにぴったりの制服を貸し出してもらいましょ!」

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