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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2010-06

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『女児転生』 第二章(6)

 唐突ですが、差分イラストは難しいです。
 あんまり同じ構造で、表情や腕の位置だけ替えても「使い回し臭い」「くどい」ものになってしまいます。成人向けゲームなどで、次々と差分が入れ替わっていくのに飽きさせないあたりの技術は、見習わないといけませんね。
 そんなわけで、次回作ではそのあたりを考慮して、いったん差分の数をぐっと減らしています。それでも、文章+イラスト7~8点、という形になると思いますが。プ○キュア風の衣装やま○んちゃんふうの衣装など、コスプレ中心となっていますので、お好きな方はお楽しみに。オムツは……???

  * * *

 (6)

「あーきほちゃん、きたよーっ!」
 ピンポーン、という古典的な呼び鈴のあとから、女の子の声が聞こえてくるのを、俺は絶望的な思いで聞いていた。
 先ほどの、屈辱的な姿を撮影された一件から十分ほど経ち、いまの俺は新しい服に着替えさせられている。どんな服を着せられたのかなんて、思い出したくもない。少しうつむいただけで視界の隅に映る、ピンクと白のつやつやてかてかな生地を見るだけで、コレに袖を通したときに恥辱に胸が発火しそうだった。
 俺にこんな服を着せた当の本人──小学生の牧本秋穂ちゃんは、何やらタンスの奥をごそごそと探っている。いったい何を探しているのか、怖くて訊くことも出来ない。
 チャイムが鳴ったときも、秋穂ちゃんはタンスの奥をひっくり返してたくさんの服を並べ直していた。彼女はチャイムの音に顔を上げると、
「お兄ちゃん、秋穂のかわりにでてくれる? 秋穂、手が放せないの」
「う……うん」
 俺は顔を真っ赤にして、うなずいた。先ほど撮影した映像がある限り、俺は彼女を怒らせるわけにはいかないのもあったけれど──何よりもみっともない姿で頭を床にこすりつけた上、いまだにこんな格好をしていたのでは、「隣のお兄ちゃん」面なんて出来るわけないのだ。せいぜい、「背は高くなったのにいつまでもお姉ちゃんの手を焼かせる妹」がいいところだ。
 しかしこの姿で、始めて顔を見る秋穂ちゃんの友達の前に、出なければいけないのか。そう考えると、玄関に向かう足取りはしぜん重くなった。秋穂ちゃんの友達だから、おそらく小学生だろう。その小学生の前で、こんな──
 そろそろと一階に降りると、玄関脇のディスプレイに、牧本家の玄関先の映像が映っていた。そこには、二人の少女が立っている。片方は、ウェーブのかかったボブカットに明るい猫目をした少女。もう一人は、眉の上と肩のあたりで切りそろえた「姫カット」に、眼鏡をかけたそばかす少女。猫目の少女が画面の中で、
「あきほちゃーん! きたよーっ、ほら、アリナも来てるーっ!」
「ちょっとフユカ、大声で叫ばなくたって聞こえるわよ。インターフォンだってあるんだし」
「えー、でも、全然返事もないってことは、聞こえてないんじゃない? だとしたらやっぱり、大声で呼ぶっきゃないじゃん」
「だからって……」
 俺は彼女たちの姿を見つめながら、緊張に背筋を振るわせた。あの二人のうちでフユカと呼ばれる少女──おそらく、あのボブカットの猫目少女だろう──が、秋穂ちゃんに指示して、俺の姿をビデオカメラで撮影させた上で脅迫の種に使うことを、提案したのだ。小学生、と思って油断していたら、どんな悪質なことをされるか判ったものではない。
 俺はいよいよ覚悟を決めて──
「はい、どちら様ですか?」
「え?」「お?」
 インターフォンのマイクに話しかけると、玄関先の向こうで二人は戸惑った。
「誰?」「あきほの家族ではなさそうだけど」「だよねー。あきほ、一人っ子だし。って事は──もしかして、さっきのメールの?」「そうかもね。けど、ここでセンサクしても仕方ないわ」
 二人のひそひそ話もマイクはしっかり拾っていて、それを聞いた俺はまた、赤くなった。やっぱり彼女たちが、秋穂ちゃんに入れ知恵をしたのだ。
 すると眼鏡少女、アリナちゃんのほうが、インターフォンのカメラに向き直って凜と声を張る。
「あの、あたしたち、あきほちゃんの友達です。あきほちゃんに呼ばれてきたんですけど──あきほちゃん、いますか?」
「あ、ああ」
 俺は返事をしながら、インターフォンに並ぶボタンを見ていた。同やらここで、ドアの開閉なども一括して行えるようになっているらしく、「門扉」「玄関ドア」などの文字の下に、ボタンが付いているのだ。いずれも「ロック」ランプは、ついた状態。
 これを操作して、訪問者を中に招くのだ。まずは「門扉」のボタンを押しながら、
「いまドアを開けるから、そのまま入ってきて」
 いよいよ二人が近づいてくる。俺はいますぐここから逃げ出したい気持ちを抑えて、インターフォンの「玄関ドア」のボタンを押した。これで、彼女たち通れとの間を隔てる障壁は何もない。画面の中では、彼女たちが軽い足取りで門扉を通り抜け、玄関前にたどり着いたところだった。
 そして遂に、
「お邪魔しまーす!」

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