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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2010-05

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『女児転生』 第一章(15)

 怒濤のGW更新第二弾です。
 ゆり様、はじめまして。お褒めいただけて恐縮です。コメントがあると励みになりますので、このGW期間の更新、頑張りたいと思います。

 それではどうぞ。

  * * *

 (15)

 と。
 不意にどこかで聞いたことがあるような、軽快な音楽が鳴り出した。なんだろうこの曲は、と思う間もなく、懐かしいメロディが流れ出す。──大昔にやっていた幼児番組の、お着替えテーマソング。「パ○ャマでお○ゃま」だ。先生が、英語のリスニングように使うラジカセで、その音楽を流しはじめたのだった。
 それに気付いた瞬間、またもクラスがどっと湧いた。
 彼らとは反対に、俺の気分はいやが上にも沈み込む。こんな──こんな、幼稚園児が着替えているときに流れるような曲の中で、こんな恥ずかしい制服を脱いで、着替えろと言うのか。これまでの人生で、最悪と言っていいような辱めだった。
 しかも、先生は追い打ちをかけるように、
「ふふっ、みんなも懐かしいでしょ? なんでもね、愛美ちゃんがおうちでお着替えするときには、いつもこの曲をかけてるんだって。だから、恥ずかしがり屋な愛美ちゃんが少しでもお着替えしやすいように、先生、わざわざ見つけてきたのよ?」
「へぇーっ、そうなんだぁー……」
「良かったわね、愛美ちゃん! 優しい先生で!」
 あらぬデマを口にする。それを聞いて、クラスの連中はまたも大喜びで囃したてた。さらには、
「ねぇねぇ、ひょっとして普段着も、女の子の服を着てるのかな?」
「そうじゃないの? だって、こんな幼児向け番組の音楽でお着替えしてるんだもの。ふつうに男物来てる方が、よっぽどありえないでしょ? ね、どうなの莉子。さっき、先生と一緒に色々訊いたんでしょ?」
 女子の会話の真ん中で、
「うん。なんでも、制服以外はみんな女児服を着てるんだって。だから本当は、男子制服でズボンを穿いてるのも落ち着かないみたいよ。女子制服のスカートを穿いて学校に通いたい、とも言ってたし」
 デマゴーグ佐々木莉子がないことないこと吹聴し、彼女を中心とした輪ができあがった。「あははっ、ねぇねぇ、それなら今度、制服専門店につれてってあげようよ! で、女子制服を着て学校に通えばいいじゃない!」
「うーん、でも山野君──じゃなかった愛美ちゃんには、ちょっと大人っぽすぎるデザインなんじゃないかしら。いっそのこと、ほら、この近くにある小学校の……」
「やだーっ、莉子ってばひどーい」
「ひどくなんてないわよ。だって愛美ちゃん、普段から子供服を着てるんだって言ってたもん」
 好き放題言っている莉子に対して、思わず俺は「嘘をつけ!」と叫びそうになる。しかし、
「ほら、愛美ちゃん。早くお着替えしなさい。もう、時間がないわよ」
「くっ……は、はい……」
 羞恥に満ちた音楽が流れる中、いよいよ「お着替え」をはじめたのだった。
 どうせ衆人環視で着替えさせられるのならば、俺としては一刻も早く服を脱いでしまいたかったのだが、先生は細かく指示を出してきた。しかも、「ほら、愛美ちゃんがいつもやってるようにしなさい」と、まるで普段から俺がそんな着替え方をしているかのようなセリフつきで、だった。
 まずは立ったまま、フラミンゴのように片脚ずつあげて上履きを脱ぐ。そんな些細な仕草にさえ、クラスが色めき立つのが判った。高校生が、同年代の男が着替えているのを見て何が楽しい、と思うけれど、恐らく彼らにとっては楽しいのだろう。
 右の上履きを脱いで床に置き、左膝を曲げて脱ぎにかかろうとしたときだった。同級生たちの口から一斉に、悲鳴ともつかない叫びが上がった。はっと目を上げると、彼らの眼には、見てはいけないものを見てしまったような楽しげな色があった。
「なに……いまの、もしかして女の子用の……?」
 見られた。それを悟った瞬間、頭にかっと血が上った。普段なら、下着を見られた程度でここまで激しい反応をすることはない。しかし、見られた下着はあろう事か、女の子用のそれなのだ。
 同級生たちもそれが判ったようで、
「えっ、下着まで女の子用だなんて、そんな、嘘……?」
「おいおい、本当に……? 山野──じゃなかった、愛美ちゃん? もしかして、女の子用のパンツはいてるの?」
「うっ、くっ…………」
 俺の口から、意図せずしてうめき声が漏れた。きっと先生のことだ、俺に向かって、自分が何を穿いているのか口にするよう命令するに違いない。想像するだけで顔から火が出そうになるくらい恥ずかしかったが、しかし先生の命令は、そんな悲観的な想像さえ置き去りにするほどのものだった。
「そうね、愛美ちゃん」
 先生は笑みを含んだ声で、俺に向かって、とんでもない命令を出した。
「スカートをめくって、みんなに見てもらいなさい。愛美ちゃんが今、どんなに可愛いパンツを穿いているのか、ね」

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