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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2009-07

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乙女座の園 第4エリア(2)


 (2)

「何でですか!? 下着はちゃんと着けてるでしょう?」
 「女性ものの下着」とは言いづらく、良介は曖昧に言葉をぼかす。しかし宣伝部長は彼の下着をためつすがめつしながら、
「ああ。ちゃんと女物の下着をつけてるな。レーシィな黒のブラとショーツのセットにガーターベルトとストッキングなんて、まるでデート当日の女の子みたいな気合いの入れ方だ」
 そう言われて、良介は赤くなった。今さらながら、自分が「デート当日の女の子」みたいな服を着ていることを、思い出させられたからだ。だが、宣伝部長は容赦ない。
「でもだな。今から着てもらうこの服を着るような年代の女の子が、そんな下着を穿くか、ってのが問題なんだよ。小学生は、そんな服は着ないだろう」
「なら、小学生にモデルを頼んでください」
 むっとして、良介は言いかえす。大体、男の自分にこれを着せようというのが無茶なのだ。普段から女装させられて、女性用下着を強要された挙げ句、それでもだめだと言われては納得できない。
「そういう問題じゃないだろ? 特にブラジャーは、胸が目立って子供服には似合わねぇ。サロペットスカートの下からストッキングに包まれた脚が伸びるってぇのも問題だ。そんなわけで、上から下まで女の子になって欲しいんだ。小さな女の子に、な」
 やってられるか。良介はむっとして、内心そう吐き捨てた。しかし、逆らっても無駄と判断したのもあるし、仕事においてこの程度の理不尽はつきものだ、と言うのも承知している。これも仕事と割り切って、大人しくガーターを外す。
 いい加減ナイロンのショーツの感触に離れてきて、今では興奮することもなくなっていた良介だったが、部長から渡された子供用のショーツは、それとはまた違う厚ぼったい感触で、危うく勃起しそうになる。前にピンクのリボンがついただけのシンプルなショーツだったが、それだけに一層、「小さい子供の普段着」のようで、大の大人である自分がそれを着ていることの異常さを噛みしめた。
 ブラの代わりに着るように言われたのは、こちらもシンプルな白のキャミソール。肌にぴったりと張り付く感触は、ブラジャーのしめつける感触とはまた異なる、「女性用下着を着ている」ことを意識させるものだった。
 その上から、先ほど見せられたセットを着る。サロペットは150サイズだったので、良介にはやや小さい。それを無理矢理着たものだから、スカートの丈は極端に短く、太腿の中程まであるかどうか。スカートの裾が広がりにくいから、前屈みになっても辛うじてお尻を隠すことが出来るが、これがごく普通のプリーツスカートやサーキュラースカートだったら、とても街中を歩くことなど出来はしないだろう。
 これにレースつきのソックスとピンクの子供用スニーカー、サクランボのヘアゴムをつけ、髪型を小さなツインテールに整えれば、まるで小さい女の子のようなスタイルになる。もっとも、端からそう見えるには、身長や顔立ちなど様々な要素が邪魔していた。しかし良介は女顔だったし、身長も男性としては低すぎるくらいだったから、せいぜい高校生くらいの女の子が、妹のお上がりを着ているくらいに収まっていた。
 鏡で自分の姿を見て、良介はげんなりした。何よりも、その服を着た自分にあまり違和感がないことに。

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