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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2024-05

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乙女座の園 第0エリア(2)

 神無月です。
 えと、この「第0エリア」は話の導入部分なので、連載の日付とは若干異なっております。ご了承下さい。ご指摘がありましたので、念のため。

 さて、本日も開演。まだ女装には入りませんが……。

 * * *

(2)

 良介とて、外部組と内部組の微妙な立場の差は承知しており、外部組に手が足りなければ、これまでも何回かそちらに交じって働いていた。今回も、行く先が《乙女座の園》でなければ、諦めて行ったろう。
 しかし、《乙女座の園》は男子禁制で、それは従業員とて例外ではない。つまり、
「……ウェイトレスとして働くんですか? この僕が?」
 そう、従業員まで男子禁制なので、彼が働くように命じられた喫茶室の従業員も、ばっちり女性一辺倒。したがって、ウェイトレスとして働かなければならないのだ。
 いやな顔をする良介に、晴香は軽い調子で受合った。
「大丈夫、似合うわよ」
「うれしくないです」
「嘘でもうれしいふりをしなさい。りょーちゃん感激っ、とか」
 良介が思いっきり変な目で見ると、晴香は一回咳払いをしてから、不意に、総務部の社員の一人に話を振った。
「……ねぇ、留美ちゃん、彼ならウェイトレスも似合うと思わない?」
「えー、有沢先輩が、ウェイトレスですかぁー……」
 話を振られたのは、高卒で入った一九歳の女性社員、古本留美。会社への在籍歴は良介より長いが、本社での勤務は良介の方が長いので、彼に対してはそれなりの敬意を払ってくれている。そんな彼女だが、これを聞いてちょっと嫌そうな顔をした。
 良介は我が意を得たりと、
「ほら見てくださいよ! やっぱり僕がそんな格好したら、単に気持ち悪いだけですって! いやぁよかった、古本さんが良識的な人で! だから社長、ここは……」
「そうですよ社長。有沢先輩がそんな服着たら、」
 留美が加勢してくれれば、社長だって無理は言わないだろう。良介がそう意気込んだ次の瞬間、
「とても似合いそうで嫌です。なんか、あたしより可愛くなりそうですもの」
 こけた。思わず床に手をついて脱力する良介。しかし二人はそんな彼に構わず、
「そんなことないわよ、留美ちゃんだって可愛いわ。なんなら、比べてみない?」
「えー……あ、じゃあ、事務服ならいいですよ。それならあたし、毎日着てますから、多少は似合ってる自信あります」
「そうね、それならいいかしら。……というわけで、行くわよ」
 良介を無視して話を進める。晴香は強引に良介の手をとって、彼を女子更衣室まで引きずって行った。
「ちょっと、本気ですか?」
 普段は立ち入れぬ女子更衣室の中まで引っ張ってこられて、良介は今さらな質問をする。晴香はこれに、口を開かずに返事した。いきなり彼のベルトをはずし、一気にズボンを引き下ろしたのだ。
「わっ!」
「きゃあっ!」
 悲鳴を上げる二人。良介のズボンが脱がされ、上半身は上着まで来ているのに下半身はトランクス一枚、という惨めな姿になる。留美は目を覆ったが、指の間の隙間からちらちらとみていた。
「ほら、男なら諦めが肝腎よ。それにほら、これから女性向けの企画に携わるかもしれないんだから、女の子の気持ちを分かっていたほうがいいでしょ?」
「あーもう、わかりましたよ。せいぜいオカマになった僕を見て笑ってください」
 もうやけだ。良介はいったんズボンをずりあげた後、ジャケットから順番通りに脱いでゆく。上半身が裸になったところで、留美がうっとりと言った。
「へぇ……やっぱり有沢先輩、きれいな体してるんですね」
 女の子に言われるとは思わなかった。良介はさらに脱力しながら、ついにパンツ一枚になった。

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