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長編『禁じられた遊び』 (15)
登場人物
上村 大海(うえむら ひろみ)……中学一年生の少年。
天野 聡子(あまの さとこ)……大海の同級生。
あらすじ
中学生の上村大海は、ある日、同級生の天野聡子に誘われて、空き教室で彼女の制服を着てみることになる…。
ピクシブにもまとめました → 禁じられた遊び
(15)
どきどき。
どきどき。
いつもより、ちょっとだけ時間の遅い夕焼けの校舎。たったそれだけなのに、いつもとまるっきり違う風景に見える。
その理由は――視線を少し下げると、紺のプリーツスカートから伸びる自分の脚を見て、またドキドキが止まらなくなってくる。
ぼく、女の子の制服を着て、学校を歩いてるんだ。
現実感がない。まるでなにもかも夢のようだ。
でも同時に、ひどく現実的になっている自分もいる。
もしも、左右に並ぶたくさんのドアのどれかから、人が出てきたら――もしかしたら、クラスメイトがまだ残っているかもしれない。友達や同級生にこんなところを見られたら、すぐにぼくだってばれて、明日から恥ずかしい思いをするかもしれない――
ぼくは、肩にかけたスクールバッグにすがりつくように、ぎゅっと力を込めた。
「そんなに緊張しなくても、大丈夫よ」
隣から、くすくす笑う声がした。ジャージ姿の天野さんだ。
「まず、こんな時間に校舎に残ってる人はほとんどいないし、仮にいたとしても、ぱっとみただけじゃ、誰も上村くんが男子だなんてだなんて思わないわ。顔見知りだってよほど近くで見られなければばれる心配はないし」
「そ、そうだよね」
天野さんの言葉に、ぼくは自分を納得させる。そうだ。この格好なら、遠くから知り合いに見られたってばれる気づかいはほとんどないんだ。
「うふふっ」
そう考えると気が楽になって、ぼくは思わず、口元を緩めた。
憧れの、女子制服。太腿のあたりでスカートが揺れるこの感覚を、思い切り楽しんでいいんだ。くるくると回ってみると、プリーツスカートがふんわりと広がった。
「ふふっ、たのしそうね」
「うん。これ、一回やってみたかったんだ」
「変わってるわねぇ。それじゃ、こういうのはどう?」
天野さんはそう言うと、とつぜんぼくのスカートに手を伸ばして――
「ほーら、スカートめくりよ!」
「きゃっ!?」
とつぜんぱっとスカートを跳ねのけられて、ぼくは反射的に両手で押さえる。は、恥ずかしい。下着が無防備にさらけ出されるのは思っていた以上に恥ずかしくて、ぼくはスカートを押さえた姿勢のまま、天野さんを恨めしそうに見つめた。
「ふふっ、こういうのも、されてみたかったんじゃない?」
「そ、そんなこと……」
「そうかしら? 私相手に隠しごとなんてしなくていいから、しょうじきに言いなさいよ。ね、されてみたかったでしょ? されて、嬉しかったでしょ?」
「う……ほ、ほんのちょっとだけ……」
「ふふっ、しょうじきでよろしい」
お姉さんぶった口調で、天野さんが笑った、その時――
近くの教室から出て来た男性がぼくたちを見て、
「おい、そこの二人!」
――先生!?
(続く)
上村 大海(うえむら ひろみ)……中学一年生の少年。
天野 聡子(あまの さとこ)……大海の同級生。
あらすじ
中学生の上村大海は、ある日、同級生の天野聡子に誘われて、空き教室で彼女の制服を着てみることになる…。
ピクシブにもまとめました → 禁じられた遊び
(15)
どきどき。
どきどき。
いつもより、ちょっとだけ時間の遅い夕焼けの校舎。たったそれだけなのに、いつもとまるっきり違う風景に見える。
その理由は――視線を少し下げると、紺のプリーツスカートから伸びる自分の脚を見て、またドキドキが止まらなくなってくる。
ぼく、女の子の制服を着て、学校を歩いてるんだ。
現実感がない。まるでなにもかも夢のようだ。
でも同時に、ひどく現実的になっている自分もいる。
もしも、左右に並ぶたくさんのドアのどれかから、人が出てきたら――もしかしたら、クラスメイトがまだ残っているかもしれない。友達や同級生にこんなところを見られたら、すぐにぼくだってばれて、明日から恥ずかしい思いをするかもしれない――
ぼくは、肩にかけたスクールバッグにすがりつくように、ぎゅっと力を込めた。
「そんなに緊張しなくても、大丈夫よ」
隣から、くすくす笑う声がした。ジャージ姿の天野さんだ。
「まず、こんな時間に校舎に残ってる人はほとんどいないし、仮にいたとしても、ぱっとみただけじゃ、誰も上村くんが男子だなんてだなんて思わないわ。顔見知りだってよほど近くで見られなければばれる心配はないし」
「そ、そうだよね」
天野さんの言葉に、ぼくは自分を納得させる。そうだ。この格好なら、遠くから知り合いに見られたってばれる気づかいはほとんどないんだ。
「うふふっ」
そう考えると気が楽になって、ぼくは思わず、口元を緩めた。
憧れの、女子制服。太腿のあたりでスカートが揺れるこの感覚を、思い切り楽しんでいいんだ。くるくると回ってみると、プリーツスカートがふんわりと広がった。
「ふふっ、たのしそうね」
「うん。これ、一回やってみたかったんだ」
「変わってるわねぇ。それじゃ、こういうのはどう?」
天野さんはそう言うと、とつぜんぼくのスカートに手を伸ばして――
「ほーら、スカートめくりよ!」
「きゃっ!?」
とつぜんぱっとスカートを跳ねのけられて、ぼくは反射的に両手で押さえる。は、恥ずかしい。下着が無防備にさらけ出されるのは思っていた以上に恥ずかしくて、ぼくはスカートを押さえた姿勢のまま、天野さんを恨めしそうに見つめた。
「ふふっ、こういうのも、されてみたかったんじゃない?」
「そ、そんなこと……」
「そうかしら? 私相手に隠しごとなんてしなくていいから、しょうじきに言いなさいよ。ね、されてみたかったでしょ? されて、嬉しかったでしょ?」
「う……ほ、ほんのちょっとだけ……」
「ふふっ、しょうじきでよろしい」
お姉さんぶった口調で、天野さんが笑った、その時――
近くの教室から出て来た男性がぼくたちを見て、
「おい、そこの二人!」
――先生!?
(続く)
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