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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2024-05

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長編『禁じられた遊び』 (9)

 
  『禁じられた遊び』
 
 上村 大海(うえむら ひろみ)……中学一年生の少年。
 天野 聡子(あまの さとこ)……大海の同級生。

  (前回のお話)  
 
  第一章  制服遊戯 (9)

 どくん。どくん。
 心臓の高鳴りが止まらない。
 言ってしまった。自分の口で、女の子になります、って――
「ふふっ、いい子ね、上村くん」
 天野さんはまるで年上の女性のような口調で言うと、
「それじゃあ、女の子になる記念に、上村くんにこれをプレゼントしてあげる」
 両手を彼女自身の背中に回し、ぷつっ――と小さな音がしたと思ったら、彼女のブラが、するりと胸元から外れた。
「わぁっ!?」
 ぼくは思わず、恥ずかしさに両目を覆っていた。
 でもほんの一瞬、ふんわりとマシュマロのように膨らんだ胸の頂点に、熟しかけた果実のような仄紅い突起が見えてしまっていて、まぶたの裏に焼き付いてしまう。
 おっぱいだ。大きくて、とてもきれいな、天野さんのおっぱい。
 あんなものが、ぼくの胸にもついていたらいいのに――
 目を覆って立ち尽くし、そんなことを考えていると、不意に背中に柔らかいものが触れて、ぼくは飛び上がりそうになるくらいびっくりした。
「ひゃっ、な、なにっ……!?」
「動いちゃダメ!」
 天野さんだった。いつの間にか背後に回り込んでいた天野さんが、ぼくの背中に、体を密着させているのだ。
 ということは、背中に当たっているこの柔らかいものは――
 考えただけで頭に血が上りそうになるぼくの耳元へ、天野さんが囁いた。
「動かないで、ゆっくり手を前に出して」
「う、うん……」
 言われたとおりに、目を押さえていた手を下ろした。すると僕の胸元に、先ほどまで天野さんがつけていたブラジャーが広げられていた。左右を、後ろから伸びた天野さんの手が支えている。
「ほら、ブラジャーに腕を通して。つけてあげる」
「うっ……うん……」
 恐る恐る、ぼくはストラップの間に腕を通す。
 ブラジャー。
 男子はまずつけることのない、そもそもつける必要のない、女の子だけの下着。
 ぼくが、ブラジャーをつけるんだ。生まれて初めての、ブラジャーを。
 どくん。どくん。
 胸の高鳴りは、ますます強くなった。

  (続く)

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