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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2024-05

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強制女装についてのあれこれ(2)

 強制女装について。一日空けて、二回目です。

 当然ですが、「強制女装」と呼ぶ場合、「女装趣味」があってはいけません。
 しかしこの定義も厳密ではありません。例えば本当に女性になりたいと望むTSや、社会的に女性として扱われたいと望むTGのような方の場合、「女性」というのがその方のあるべき姿なのですから、女装そのものに対しての恥じらいは生じないのでしょう(そうした方々の心理については詳しくありませんが、女装に対して恥じらいを持つとすれば、もっと複雑な、その方のアイデンティティに関わるようなものであると思われます)。
 しかしTV、いわゆる異性装嗜好の場合、その様態は千差万別です。外出される方、家の中でだけ女装を楽しむ方、あるいはほんの少しの時間に女装を楽しむ方。中には神無月のような屈折型の方もいらっしゃるかも知れません。
 いずれにせよTVの場合には、「女性の服を着るのが好き」なのであって、「女性になりたい」のでも「女性として扱われたい」のでもありません。TVの方にも、周囲に対してカミングアウトして女装したまま外を歩く方も数多くいらっしゃいますが、周囲にも家族にも隠れて女装していらっしゃる潜在的女装子の数も、非常に多いのではないでしょうか。
 そして、そんな潜在的女装子の方が、周囲や友人などにばれてしまい、家の中では常時女装、あるいは女装外出を強制されるのは……これも一種の、強制女装といえなくもありません。

 えーと、生半可な知識で判りづらいことを述べてきましたが、要するに、軽い女装趣味のある方でも、「強制女装」は成立するのではないか、ということです。
 具体例を示した方が早いかも? 思いつくままに、少し書いてみます。

 * * *

 僕の平穏な大学生活は、何の前触れもなく上京してきた妹に女装姿を見られたその日から一変した。
 以下の文は、妹に命じられてその顛末をつづったものである。

 僕は高校卒業後、山梨の実家から、東京の西郊にある私立大学法学部に進んだ。当然一人暮らしだ。僕は一人暮らしを初めてすぐに、これまで家族にも内緒にしていた趣味を本格的にスタートさせた。
 秘かな趣味……それは、女装趣味だ。僕は昔から、女性の身体よりもそのまとっている衣服に対して強い憧れを抱き、秘かに着てみたいと思っていた。家族と一緒に住んでいる身としては、色々と不都合があるのでなかなかおおっぴらには出来なかったが、一人暮らしなら誰に気兼ねすることもない。
 すぐに僕は、通販で女性用のスーツと、下着を一揃え用意した。スーツは就活に着るような、さわやかな黒のスカートスーツ。下着もベージュの大人しいものだ。
 髪は少し伸ばしていたが、男性としても違和感のない髪型。化粧道具も揃えて、時々……週に一度くらい、化粧から何からきっちりと女装する。
 そんな時、僕はたいてい女装するだけで満足する。それは確かに性的な興奮も覚えるけれど、自慰行為にまでおよぶと終わった後の自己嫌悪が激しい反動となって襲いかかるので、女装を初めて半月もしてからは、女装した時には自慰を行わないことに決めた。
 僕の女装に対するスタンスは、女性になりたいとか、女性として振る舞いたいとか、そういうものではないのだ。だから女装は週に数時間程度。女装したままで、大学のゼミの準備をしたり、本を読んだりする。僕としてはそれだけでも楽しかったし、逆にそれ以上の女装をする気はなかった。
 そうして一年が過ぎた、二年生の春のある日。
 そしてその日も僕は、女装したままで、今週行われる模擬裁判の資料をまとめていた。
「平成16年の最高裁判決によると……あー、面倒くさいなぁ」
 僕は溜息をつき、判例をまとめたレポート用紙を睨む。民法は、僕にとっては苦手な分野だった。刑法の方がよほど楽しい。
 考えがまとまらず、僕はコーヒーカップを持って台所に向かう。コーヒーメイカーからコーヒーを注ぐ。その時、玄関で何か音がした。郵便受けにチラシが投函された音だろうと気にも留めず、居間兼寝室にしている六畳間に入ったその時、
「きゃあああっ!」
「わぁっ!」
 いきなり甲高い悲鳴。そして、男の驚く声。もちろん、後者が僕だ。とっさに女性らしい金切り声を出せるほど、女装に馴染んではにない。
 そしてその、悲鳴を上げた女性は……
「マキ?」
「お、……お兄ちゃん!?」
 目の前にいたのは、今日ここにいるはずのない、高校生の妹の姿だったのだ……。

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