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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2024-05

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短編「親友彼女」 その1

 どうも、神無月です。
 新年のあいさつからしばらく開いてしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 こちらは先日、とつぜんにノートPCが壊れてしまったため、新しいPCを買ったり設定しなおしたりと、ずっかりバタバタしています。一応これまでに書いたもののデータなどはHDに退避させてあるため大事はないのですが、突然の出費と再設定に追われて青息吐息。
 そんなこんなで今週の更新もできないかなーと思ったのですが、息抜きにちょっと書いてみたら思ったよりも筆が進んだため、SSというかたちで掲載します。一応の着地点は見据えているのですがどれほど続くか、また続くほどの気力が残っているかもわからないので、とりあえずSSで。

 ではどうぞ。とりあえず明日分くらいまではできてます。   短編「親友彼女」 (その1)

 すべての原因は、叔母の家から届いた段ボール箱だった。
 叔母には二人の娘、つまり僕にとっては従妹に当たる子がいる。このうち上の子はぼくと一つ違いで、幼稚園の頃からずっと僕より少し大きいサイズを着ていた。節約家の母親は、サイズが合わなくなった従妹の衣類をうちに送ってもらい、ぼくはその中から、外に着て行っても恥ずかしくないもの、家で着る分にはそれほど抵抗のないものなどを仕分けして着ていた。大半は男女兼用だったので問題はなかった。パンツやトレーナーも普通に外に着られたし、ちょっと外には着て行けないけれど、キュロットなんかも部屋着にしていたんだ。

 ところが、だ。

 去年からは上のほうの子が服を送るのをやめてしまい、代わりに下の従妹──ちょうど小学六年生だった従妹のおさがりが送られてくるようになった。それでも背の高い子らしく、6つ違いのぼくがほとんど着られるのだから嫌になってしまう──て、そんなことはこの際どうでもいい。
 問題は、その中身だ。パンツが極端に減り、ボトムスの大半はスカート。それも、太腿を見せつけるようなひらひらのミニスカートばっかりだ。トップスもTシャツやトレーナーはほとんどなくなり、フリルのついたブラウスや、レースのついたパーカー、パフスリーブのカットソーなど、とても男子が外に着て行けるような服はない。
 着られないスカートやワンピースなどは段ボールに詰めなおしたまま物置にしまってあるのだが、去年はほとんど手つかずのまま片づけてしまった。
 そして今年、四月に入って最初の日曜日。
 届いた段ボールの中身を見て、ぼくは思わず口に出してぼやいていた。
「どうしろっていうんだよ、これ……」
 いつもより、かなり大きな段ボール。その中には、おそらく小学校を卒業するにあたって処分したと思われるものが、どっさりと詰め込まれていた。
 一つ一つ取り出して、部屋のカーペットの上に並べていく。
 赤いランドセル。中には教科書類まで入っているらしく、妙に重たい。
 イートンジャケットに丸襟ブラウス、吊りスカートという、小学校の女児制服。
 体操着。スクール水着に、着替え用のタオル。しっかり紅白帽と水泳キャップ付きだ。
 真っ赤な楕円形のバッグは、小学校で使う上履き入り。
 卒業式で着たと思われるフォーマルスーツまである。リボンからエンブレムまで一通りそろっていた。

  (続く)

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