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『少年かぐや』 第十八回(前編)
こんばんは、神無月です。
今週分の更新です。まだ体調不良が続いていまして、後半を更新できるかわかりませんが、ご了承下さい。
ではどうぞ。
* * * * *
(第十八回)
子供達が優しい心を持っている、というのは大人たちが勝手に抱いている幻想であり、子供社会のカーストに対して極めて従順で、無意識の自己保身に余念がなく、さらに無邪気さゆえの残酷性をもっている。
彼らにとって、登場早々にスカートをめくられ、お子様パンツを全員の目にさらしてしまった隆人は、まさに子供社会の最下層に組み込まれた、格好の標的であった。
「ほらほらーっ、ひとみちゃんはお馬さんなの! 速く走らないと、おしりぺんぺんしちゃうわよっ!」
「右に行きなさいって言ってるでしょ! こっちよ、こっち!」
「やっ、やめてっ、お尻ぶたないでっ、ひとみの髪の毛、引っ張らないでよぉっ!」
いま隆人は四つん這いになり、女の子二人に「お馬さんごっこ」をさせられてた。
子供の体重とはいえ、二人合わされば四〇キロ近くになる。それを背中の上に乗せ、前の子には髪の毛を手綱代わりに引っ張られ、後の子にスカートから覗くお尻をぺしぺしと叩かれて、周囲の女児達からは指をさして笑われて、大学生男子としてのプライドはずたずたに切り裂かれていた。
すでにサークルの部員たちの挨拶が終わり、男子と女子に別れて遊んでいるところであった。男子は外でサッカー、女子は室内でお絵かきだ。
隆人は「女の子」なので、女の子と一緒に室内でお絵かきのはずだったのだが――
気付けば、気が強い女の子たちにスカートをめくられ、お馬さんごっこをせがまれて、完全に彼女たちの下僕状態にさせられていたのだった。
「ほらっ、こんどはあっちよ! あっちだってば!」
「歩くのが遅いったら! いちっ、にっ、いちっ、にっ!」
「ひっ、はいっ、はいぃっ!」
子供の力でも、髪の毛を引っ張られると痛い。隆人は半泣きで、彼女たちの指示に従う。特に後の女の子は速度に不満があるらしく、彼は懸命に両手足を動かして、せっせせっせと教室の中を這い回った。
「もうつ、やっぱりおそいっ!」
それでもその少女は、満足しなかったらしい。彼女はひらりと彼の上から飛び降りると、どこかへ行ってしまった。
少し軽くなって、ほっとしたのは一瞬のこと。
「あははっ、今度はミホの番!」
すぐに別の子が飛び乗って、またも隆人の尻を、ショーツ越しにぺちぺちと叩き始めた。
「ね、ねぇ、もうやめてよぉ、ひとみ、こんなことしたくないよぉ……ふ、普通にお友達になってよ、ね?」
あまりの屈辱に、隆人は情けない声で嘆願した。その言葉を口にすること自体、男子大学生としてのプライドを完膚無きまでに粉砕する行為だったが、なりふりなど構っていられなかった。
(後編に続く)
今週分の更新です。まだ体調不良が続いていまして、後半を更新できるかわかりませんが、ご了承下さい。
ではどうぞ。
* * * * *
(第十八回)
子供達が優しい心を持っている、というのは大人たちが勝手に抱いている幻想であり、子供社会のカーストに対して極めて従順で、無意識の自己保身に余念がなく、さらに無邪気さゆえの残酷性をもっている。
彼らにとって、登場早々にスカートをめくられ、お子様パンツを全員の目にさらしてしまった隆人は、まさに子供社会の最下層に組み込まれた、格好の標的であった。
「ほらほらーっ、ひとみちゃんはお馬さんなの! 速く走らないと、おしりぺんぺんしちゃうわよっ!」
「右に行きなさいって言ってるでしょ! こっちよ、こっち!」
「やっ、やめてっ、お尻ぶたないでっ、ひとみの髪の毛、引っ張らないでよぉっ!」
いま隆人は四つん這いになり、女の子二人に「お馬さんごっこ」をさせられてた。
子供の体重とはいえ、二人合わされば四〇キロ近くになる。それを背中の上に乗せ、前の子には髪の毛を手綱代わりに引っ張られ、後の子にスカートから覗くお尻をぺしぺしと叩かれて、周囲の女児達からは指をさして笑われて、大学生男子としてのプライドはずたずたに切り裂かれていた。
すでにサークルの部員たちの挨拶が終わり、男子と女子に別れて遊んでいるところであった。男子は外でサッカー、女子は室内でお絵かきだ。
隆人は「女の子」なので、女の子と一緒に室内でお絵かきのはずだったのだが――
気付けば、気が強い女の子たちにスカートをめくられ、お馬さんごっこをせがまれて、完全に彼女たちの下僕状態にさせられていたのだった。
「ほらっ、こんどはあっちよ! あっちだってば!」
「歩くのが遅いったら! いちっ、にっ、いちっ、にっ!」
「ひっ、はいっ、はいぃっ!」
子供の力でも、髪の毛を引っ張られると痛い。隆人は半泣きで、彼女たちの指示に従う。特に後の女の子は速度に不満があるらしく、彼は懸命に両手足を動かして、せっせせっせと教室の中を這い回った。
「もうつ、やっぱりおそいっ!」
それでもその少女は、満足しなかったらしい。彼女はひらりと彼の上から飛び降りると、どこかへ行ってしまった。
少し軽くなって、ほっとしたのは一瞬のこと。
「あははっ、今度はミホの番!」
すぐに別の子が飛び乗って、またも隆人の尻を、ショーツ越しにぺちぺちと叩き始めた。
「ね、ねぇ、もうやめてよぉ、ひとみ、こんなことしたくないよぉ……ふ、普通にお友達になってよ、ね?」
あまりの屈辱に、隆人は情けない声で嘆願した。その言葉を口にすること自体、男子大学生としてのプライドを完膚無きまでに粉砕する行為だったが、なりふりなど構っていられなかった。
(後編に続く)
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