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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2024-05

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『少年かぐや』 第十五回(前半)

 こんばんは、本日二度目の神無月です。

 『少年かぐや』今週からは新しい章の始まりです。前回のラストで大まかな方向性は見えているかも知れませんが、どうぞお楽しみに。


 そして新作『リバース ~ベビーガールの誕生~』の速報です。
 Digiket様より、さっそく販売が開始されました。下のリンクから作品ページにリンクしています。
[十月兔] の【リバース ~ベビーガールの誕生~】 

 またDLSite様より、予告作品の設置が完了いたしました。

 DMM様からの発売は少し遅れているようですが、そちらも発売し次第、ご連絡いたしたいと思います。


 ではでは、本日分をどうぞ。
   
  * * * * *
 
 (第十五回)

「それでは来週に予定されている、**幼稚園での交流会についてなんだけど」
 舘川市内にある私立大学のサークル棟四〇八号室に、男子大学生にしては高い声が響き渡った。
 六畳ほどの広さの部室に細長いテーブルを二つ並べ、ならんだ七つのパイプ椅子に、このサークルの部員たちが腰を下ろしている。片側三人が向かい合うように座り、眼鏡をかけた童顔の青年が、彼らに向かって説明をしているのだった。
「交流会の進行は、プリントの最初のページにあるとおり。最初に僕らがひとりひとり自己紹介してから、男子は男の子とサッカーの指導をして、女子は女の子とお絵かき指導。そのあとに絵本の読み聞かせをしてから、昼食とお昼寝。で、午後は子供達とひらがなや英会話の勉強をして、子供達とお遊戯。そして最後に、これはプリントには書いてないけど、子供達からお礼の歌を聞く予定になってる」
 青年の声に、六人は手元のレジュメに目を落としてうなずく。その表紙には、『平成**年 第三回幼稚園交流会』と書かれていた。
「で――ここからが問題なんだけど」
 注意を喚起するような強い口調に、六人は手元から目を上げて、青年の、柔弱そうな顔に視線を集めた。
「先月、別の幼稚園で同じような交流会をしたことは覚えているね?」
「はい、阪井部長」
 青年の右斜め前にいる女子が、何かまずいものでも食べたような顔でうなずく。
 彼ら――私立大学の児童心理研究サークルは、定期的に市内の幼稚園との交流会を行っている。しかし、先月行った交流会では子供達とのコミュニケーションがうまくいかず、けっきょくぎくしゃくしたまま終わってしまったのだ。
 このサークルは、創設五年目を数える。現在の部長は、いま部員に向かって説明している青年――三年生の、阪井隆人(さかい たかひと)だった。
彼はこの春、部長に就任したばかり。いままで先輩がやってきたとおりにやっているのだが、これがなかなか上手く行かない。前回の失敗は、彼にとっては大いに面目を失う出来事であった。
「前回の失敗を生かして、是非とも今度の交流会は成功させたい。そこで、何かいい方法はないか、みんなで案を出し合って欲しいんだけど」
「そうね……」
 先ほど返事をした女子――副部長の森居りみが、生真面目な顔でうなずく。
「最初のつかみで失敗したのが、原因じゃないかな。自己紹介、出来るだけ子供達にも判りやすいようにしたけど、子供達からすれば『知らないお兄さんお姉さん』って感じだったみたいだし」
「うん、それはぼくも感じてた」
 隆人は、得たりとうなずく。

  (後半に続く)

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