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『少年かぐや』 第十四回(後編)
こんばんは、神無月です。
とりあえず「羽鳥俊吾の章」はこれにてお終いとなります。まだ『少年かぐや』自体は続きますので、どうぞお楽しみに。
ではどうぞ。
* * *
「**市の高校生、女子制服で登校」
仕事の休憩中、香具山夏生がネットニュースを眺めていると、そんな記事が目に入った。ついつい気になってクリックすると、そこには、白い襟とスカートが特徴的なセーラー服を着た男子高校生の写真が掲載されていた。
男子高校生は、泣き笑いのような顔を向けていた。
それよりも目を引くのが、そのスカートの膨らみだ。ぬいぐるみのように膨らんだ何かが、内側からスカートを押し上げて不自然なラインになっている。
(な、なんだ、この子……?)
夏生は記事を読み進めた。
「**県**市の高校に通う男子高校生が、女子制服で授業を受けられるよう学校側に申請し、学校側はこれを受理した。この男子高校生は突発性の失禁症と診断されており、日常的にオムツを着用する必要があるため、ズボンの男子制服ではなくスカートの女子制服を着用できるよう、学校側に求めたのだ。彼は授業中頻繁にお漏らしをしてしまい、休み時間のたび、クラスメイトの手でオムツを交換してもらっている。
ちなみに学外では、彼のサイズに仕立てられたベビー服を着用しているとのこと。こちらも女児用のデザインで、**市の駅前では、ときおり可愛らしいワンピースに身を包んだ少年がみられることだろう。
今回の事態を踏まえ、文部科学省は『男子が女子制服を着用するのは教育上好ましくない』としつつも、『様々なケースに柔軟に対応する必要がある』とも付け加えており、今後さまざまな理由で『女装高校生』がふえることも考えられそうだ」
別の写真として、その少年が女児用ベビー服をきているものもあった。大通りの真ん中で、ピンクのブルマードレスにおしゃぶりを咥え、女の子の人形を抱えて写真に写っている。
(この子のベビー服、もしかして、うちで買ったものだったりして)
一週間前の注文のことなど、夏生はとっくに忘れていた。毎日、この恥ずかしい「制服」を来て、一日10件以上にのぼる注文を処理していると、注文の内容などいちいち覚えていないのだ。
いったいどれほど恥ずかしい高校生活を送っているのだろうか、夏生には想像もつかなかった。夏生自身、こうしてウエイトレスのような格好をしているが、店外に出るのは朝の掃除の時くらいである。それでも充分に恥ずかしいのに、友達や女子の前で、女子制服を着て、オムツを当てているだなんて――
記事を読み終わった夏生は、その下にもう一つ気になるニュースを発見した。
「20歳の『6歳女児』? 幼稚園児になりきる男子大学生(写真有り)」
(続く)
とりあえず「羽鳥俊吾の章」はこれにてお終いとなります。まだ『少年かぐや』自体は続きますので、どうぞお楽しみに。
ではどうぞ。
* * *
「**市の高校生、女子制服で登校」
仕事の休憩中、香具山夏生がネットニュースを眺めていると、そんな記事が目に入った。ついつい気になってクリックすると、そこには、白い襟とスカートが特徴的なセーラー服を着た男子高校生の写真が掲載されていた。
男子高校生は、泣き笑いのような顔を向けていた。
それよりも目を引くのが、そのスカートの膨らみだ。ぬいぐるみのように膨らんだ何かが、内側からスカートを押し上げて不自然なラインになっている。
(な、なんだ、この子……?)
夏生は記事を読み進めた。
「**県**市の高校に通う男子高校生が、女子制服で授業を受けられるよう学校側に申請し、学校側はこれを受理した。この男子高校生は突発性の失禁症と診断されており、日常的にオムツを着用する必要があるため、ズボンの男子制服ではなくスカートの女子制服を着用できるよう、学校側に求めたのだ。彼は授業中頻繁にお漏らしをしてしまい、休み時間のたび、クラスメイトの手でオムツを交換してもらっている。
ちなみに学外では、彼のサイズに仕立てられたベビー服を着用しているとのこと。こちらも女児用のデザインで、**市の駅前では、ときおり可愛らしいワンピースに身を包んだ少年がみられることだろう。
今回の事態を踏まえ、文部科学省は『男子が女子制服を着用するのは教育上好ましくない』としつつも、『様々なケースに柔軟に対応する必要がある』とも付け加えており、今後さまざまな理由で『女装高校生』がふえることも考えられそうだ」
別の写真として、その少年が女児用ベビー服をきているものもあった。大通りの真ん中で、ピンクのブルマードレスにおしゃぶりを咥え、女の子の人形を抱えて写真に写っている。
(この子のベビー服、もしかして、うちで買ったものだったりして)
一週間前の注文のことなど、夏生はとっくに忘れていた。毎日、この恥ずかしい「制服」を来て、一日10件以上にのぼる注文を処理していると、注文の内容などいちいち覚えていないのだ。
いったいどれほど恥ずかしい高校生活を送っているのだろうか、夏生には想像もつかなかった。夏生自身、こうしてウエイトレスのような格好をしているが、店外に出るのは朝の掃除の時くらいである。それでも充分に恥ずかしいのに、友達や女子の前で、女子制服を着て、オムツを当てているだなんて――
記事を読み終わった夏生は、その下にもう一つ気になるニュースを発見した。
「20歳の『6歳女児』? 幼稚園児になりきる男子大学生(写真有り)」
(続く)
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