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『少年かぐや』 第十二回(後編)
こんばんは、神無月です。
今週分の後半をお届けします。また、「今週の命令」はお休みとなっていますので、ご了承下さい。
では「続きを読む」からどうぞ。
* * * * *
(後編)
その、まさかだった。
俊吾は母乳を吸ったことと、オムツを当てている安心感から、心のどこか大切な部分――恐らく大人らしさとか、理性とか、そういったものを司る部分が壊れてしまったようだった。
尿道が自然に開き、そこから温かい液体が漏出する。じわじわと股間が熱くなり、やがてお尻まで暖かさに包まれる。
ちゅっ、ぢゅっ、ちゅっ、ぢゅうっ――
その場にいる主婦たちや、聡子が声も出せずにいる中で、俊吾はまるで本当に赤ちゃんに返ってしまったかのように、母乳を吸い続けていた。
しかし、その彼の至福の時間も、長くは続かなかった。
「俊吾! とりあえず全部、服と本は処分したよ!」
彼の母親が、どかどかと大きな足音とともに階段を下りてきたのだ。若い主婦が俊吾に授乳している光景を見た母親は、太い眉毛をぐいと動かして、
「ちょいと! 俊吾も、奥さんも、なにしてるのよ!」
「あっ、ご、ごめんなさい」
主婦は慌てて、俊吾の口を乳首から離し、いそいそとブラウスのボタンを留めなおす。
とつぜんしゃぶるものを失った俊吾は、しばし、夢から覚めたように辺りを見回した。
(お、俺はいったい、何を――)
(そうだ、おっぱいをしゃぶったと思ったら、急に気が抜けて――)
下半身に感じる、あり得ない感触。先ほどまで乾いていたオムツが、ぐしょぐしょに濡れていた。それを認識した途端、さきほど自分がしでかした大失敗を思い出す。
(俺――お、おっぱいを、しゃぶりながら、お漏らしを……)
(赤ちゃんみたいに、オムツの中にお漏らしをしちゃった……)
「俊吾! ちょっとあんた、なんなのこの臭いは! まさか、あんた……」
「兄貴――ううん、芙美子ちゃんなら、お漏らししちゃったよ」
母親の叫びに、聡子がくすくす笑いながら答える。
「オムツを当てておっぱいをしゃぶったら、急に赤ちゃん返りしちゃったみたい。ふふっ、もうこりゃ、兄貴だなんて呼べないね」
「あんたってば、ベビー服を着るだけじゃ飽きたらず、お漏らしまでしたの……!?」
信じられない、と言わんばかりの表情で、母親は天井を仰ぐ。そして、
「もう、付き合ってらんないわ。そのオムツ、誰が洗うと思ってるの! あんた、ちゃんと自分で洗いなさいよ!」
「ま、待って、これは――」
これは違うんだ、オムツを濡らすつもりなんて、ぜんぜん無いんだ――俊吾がそういおうとしたとき、
「大丈夫よ、ママ」
聡子がうっすらと笑って、こう言った。
「芙美子ちゃんの面倒は、あたしが見るから。毎日可愛いベビー服を着せて、おしめを取り替えてあげるから。だから、安心して」
「さ、聡子……」
十数年間一緒に暮らしてきた妹が、まるで知らない人間のように俊吾には思われた。彼女の目には、楽しいおもちゃを手に入れたかのようなサディスティックな光が宿っていた。
(続く)
今週分の後半をお届けします。また、「今週の命令」はお休みとなっていますので、ご了承下さい。
では「続きを読む」からどうぞ。
* * * * *
(後編)
その、まさかだった。
俊吾は母乳を吸ったことと、オムツを当てている安心感から、心のどこか大切な部分――恐らく大人らしさとか、理性とか、そういったものを司る部分が壊れてしまったようだった。
尿道が自然に開き、そこから温かい液体が漏出する。じわじわと股間が熱くなり、やがてお尻まで暖かさに包まれる。
ちゅっ、ぢゅっ、ちゅっ、ぢゅうっ――
その場にいる主婦たちや、聡子が声も出せずにいる中で、俊吾はまるで本当に赤ちゃんに返ってしまったかのように、母乳を吸い続けていた。
しかし、その彼の至福の時間も、長くは続かなかった。
「俊吾! とりあえず全部、服と本は処分したよ!」
彼の母親が、どかどかと大きな足音とともに階段を下りてきたのだ。若い主婦が俊吾に授乳している光景を見た母親は、太い眉毛をぐいと動かして、
「ちょいと! 俊吾も、奥さんも、なにしてるのよ!」
「あっ、ご、ごめんなさい」
主婦は慌てて、俊吾の口を乳首から離し、いそいそとブラウスのボタンを留めなおす。
とつぜんしゃぶるものを失った俊吾は、しばし、夢から覚めたように辺りを見回した。
(お、俺はいったい、何を――)
(そうだ、おっぱいをしゃぶったと思ったら、急に気が抜けて――)
下半身に感じる、あり得ない感触。先ほどまで乾いていたオムツが、ぐしょぐしょに濡れていた。それを認識した途端、さきほど自分がしでかした大失敗を思い出す。
(俺――お、おっぱいを、しゃぶりながら、お漏らしを……)
(赤ちゃんみたいに、オムツの中にお漏らしをしちゃった……)
「俊吾! ちょっとあんた、なんなのこの臭いは! まさか、あんた……」
「兄貴――ううん、芙美子ちゃんなら、お漏らししちゃったよ」
母親の叫びに、聡子がくすくす笑いながら答える。
「オムツを当てておっぱいをしゃぶったら、急に赤ちゃん返りしちゃったみたい。ふふっ、もうこりゃ、兄貴だなんて呼べないね」
「あんたってば、ベビー服を着るだけじゃ飽きたらず、お漏らしまでしたの……!?」
信じられない、と言わんばかりの表情で、母親は天井を仰ぐ。そして、
「もう、付き合ってらんないわ。そのオムツ、誰が洗うと思ってるの! あんた、ちゃんと自分で洗いなさいよ!」
「ま、待って、これは――」
これは違うんだ、オムツを濡らすつもりなんて、ぜんぜん無いんだ――俊吾がそういおうとしたとき、
「大丈夫よ、ママ」
聡子がうっすらと笑って、こう言った。
「芙美子ちゃんの面倒は、あたしが見るから。毎日可愛いベビー服を着せて、おしめを取り替えてあげるから。だから、安心して」
「さ、聡子……」
十数年間一緒に暮らしてきた妹が、まるで知らない人間のように俊吾には思われた。彼女の目には、楽しいおもちゃを手に入れたかのようなサディスティックな光が宿っていた。
(続く)
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