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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2024-05

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『少年かぐや』 第七回

 神無月です。暑い日が続いてますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 こちらは暑さにやられて、やや夏ばて気味です。女装命令・調教掲示板で「今週の命令」を更新していますので、どうぞ一夏の過ちを犯したい片は挑戦してみてください。

 では特に話題もありませんので今週分をどうぞ。
 
    * * *
 
  (第七回)
 
 聡子はページをスクロールして、さらにカートを調べていく。
 スタイ――いわゆるよだれかけが、2点。タオル地のシンプルな3枚組セットと、袖がついていて、胸を覆う布の下の部分が袋状になっているベビーエプロン2枚組のセット。こちらは撥水性で、水洗いで汚れが落ちるようになっている。色はピンクとレモンイエローで、ささやかなフリルがついているあたりがいかにも女の子らしい。
 ミトン――手につける、指のない手袋が2点。いずれも3枚組のセットで、片方は手首にボンボンが付いていて、もう片方にはレースがついている。
 またミトンとセットになる世にデザインされている靴下も2点。
 布オムツ一〇枚組を3セット。この数なら、オムツを汚すたびに取り替えても充分に足りるだろう。
 布オムツカバーを3点。テープタイプのハート柄オムツカバー。同じくテープタイプの、ギンガムチェックに女の子のキャラがプリントされたオムツカバー。ドット柄オムツカバー三枚組(赤、ピンク、オレンジ)。
 哺乳瓶を2点。容量の大きいミルク飲み用と、ジュースを飲むための小さな哺乳瓶。
 哺乳瓶洗い。
 歯固め用おしゃぶり1点。
 オムツ交換用のシート。
 天蓋つきのベビーカー。
 歩行器。
 食事用テーブルとセットになったベビーチェア。
 これらのベビー用品が15点、ベビー服と合わせて30点。
 金額的にも凄いことになっているが、これだけあれば、赤ちゃんとしての生活には困るまい。あとはベビー用品店などで、ベビーパウダーや粉ミルクなどの消耗品を買ってやればいい。
 聡子はふと、悪戯心を出した。このまま注文して、商品が来たところで何食わぬ顔をして、兄を問いつめてやろう。
 下の階では、まだ兄と両親の話し合いが続いているようだった。受験の話になると、両親は長い。自分たちが高卒で、社会に出てから苦労した経験があるだけに、兄には出来る限りいい大学を出て欲しいのだ。そうした「会議」が、1時間以内に終わった試しはなかった。
 ならば――聡子はショッピングカートのページから戻り、いくつか商品を追加した。そして配達の日時を設定し、備考欄にちょっとした悪巧みを付け加えた上、注文確定のボタンをクリックして、聡子は満面の笑みで家を出た。


 妹がそんな悪巧みをしたとはつゆ知らず、数日が過ぎた日曜のこと。
 昼過ぎ、チャイムとともに羽鳥家にやってきた配達員が、段ボール3つ分もの荷物を置いていった。差出人は「大人のためのベビーショップ・子供服《かぐや姫》」。受取人は「羽鳥俊吾」。そして品名は「ベビー服・ベビー用品」。
「なにこれ、俊吾!? どういうこと?」
 たまたまリビングで、近所の若い主婦たちとティータイムを楽しんでいた母親が応対に出て、たちまちパニックに陥った。何しろベビー服である。しかも「大人のためのベビー服」とは一体何なのか、とりあえず荷物を玄関先に運び込んでから、二階の俊吾を呼びつけた。リビングの若い主婦たちも、何事かと玄関に集まってくる。
 ちょうど漫画を読んでいた俊吾は、いきなり母親に呼ばれて下りていった。玄関先に積まれた段ボールに目を丸くする。
「な、なんだよ母さん。これは?」
「あたしが聞きたいわよ。頼んだの、あんたでしょ?」
「ち、違うよ! 俺は……」
「あんたの名前で頼んでるわよ。なんであんたが、ベビー服・ベビー用品なんか……って、あんたまさか」
「ちっ、違うから! これは、その……」
 ベビー服。ベビー用品。心当たりがありすぎる注文品に、俊吾は青くなる。
(そんな、カートには入れたけど、注文した覚えはないのに……!)
「それとなに、このお店? 大人のためのベビーショップって、いったいどういうことよ? ちゃんと説明して!」
「そ、それは……!」
 しどろもどろになる俊吾に、母親は業を煮やして段ボールを開け始める。いったい何が入っているのか、開けて確かめてやろうというのだ。
「ま、待って母さん! 後で説明するから、とりあえず俺の部屋に運び込んで――」
 大勢の人の前で開けられてはたまらない。俊吾は慌てて制止したが一歩遅かった。
ベビー服の形をした災厄が詰め込まれた、パンドラの箱。その蓋はいともあっさりと、母親の手によって開かれてしまっていた。
 
  (続く)

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