2ntブログ

十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2024-05

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『少年かぐや』 第一回

 お久しぶりです、神無月です。
 長らく創作活動に集中できず、中途半端な状態が続いていたため、一時的に活動を停止していましたが、久しぶりに連載をはじめたいと思います。

 タイトルは「少年かぐや」。以前、「かぐや姫へようこそ」というタイトルで考えていた「大人用ベビー・キッズ衣料専門店」を舞台にしたお話です。無理にオチをつけようとはせず、流れのママに描いていきますので中途半端な終わり方になるかも知れませんが、どうぞご了承下さい。

 ついでにコメント返し。読み飛ばしたいというかたは、下の「続きを読む」からどうぞ。

 和美さん、コメントありがとうございます。現在、過去の作品について続きを書くことは考えていません。構想自体が散逸してしまいましたし、無理に過去のものを続けるよりも、新しく書き始めたものに集中したいと考えています。

 また名無しさんも、コメントありがとうございます。昔の作品についてはイラストを描き直して再販する予定ですが、いつになるか未定の状態です。

 では長々と失礼しました。本編をどうぞ。  
 
 『少年かぐや』・・・第一回
 
登場人物
 香具山 夏生(かぐやま なつお)……予備校生。
 潮見 咲子(しおみ さきこ)……夏生の従姉で「かぐや姫」のオーナー。
 三谷 裕弥(みたに ゆうや)……予備校生。
 風花 牡丹(かざはな ぼたん)……予備校生。裕弥の彼女。


 香具山夏生が店の前に来たとき、ちょうどオーナーの女性が、入り口のドアを開けているところだった。
「おはよう、咲子さん」
 声を掛けると、咲子と呼ばれた女性は振り返ってにっこり笑う。大人びた表情に、コットンのブラウスと、デニムのロングスカートがよく似合っている。
 女性は夏生の従姉で、潮見咲子と言った。彼女は服飾大学を卒業してすぐ、大学時代に得た数々の賞金で店を立ち上げていた。それがこのベビー・キッズファッション専門店「かぐや姫」である。立地はあまりいいとは言えず、駅から5分ほど離れた裏通りにあるビルの一階部分を借りている。
「おはよう、夏生君。今日からよろしくね」
「はい」
 夏生は予備校通いのかたわら、この店のアルバイトとして働くことになっていた。今日がその初日である。緊張と、これから待ち受けている羞恥に満ちた勤務に、足がすくみそうだ。
 その緊張を解きほぐすように、昨夜はにっこりと笑う。
「それじゃ、さっそく初仕事をしてもらおうかしら。お店の回りを、お掃除してくれる? 箒の場所は判るわよね?」
「あ、はい」
 夏生はうなずいた。そのくらいなら簡単だ、と思った矢先。
「ならお願い。制服に着替えて、お掃除よろしくね」
 従姉の何気ない言葉に、夏生は凍り付いた。唇が震える。
「そ、その……着替えないと、ダメ、ですか」
「もちろん。アルバイトなんだから、ちゃんとそれと判る格好をしないとね」
「わ、判りました……」
 何がそんなに嫌なのか、制服と聞いた瞬間、夏生は目に見えて動揺していた。店内に入っていった咲子を見送って、しばし硬直していたが、やがて覚悟を決めたように、店の中へと足を踏み入れた。

 ――奇妙な店であった。

 ベビー・キッズファッション専門店らしく、内装はパステル・カラーを基調にしている。入ってすぐ左手は、外から窓越しに見える一角で、とりわけ可愛らしいコーディネートを着せられたマネキンが、2体並んで立っていた。全体的にレトロな趣味らしく、1体は襟にフリルのついたブラウスに真っ赤なカーディガン、水色のデニムジャンパースカート。もう1体は、お宮参りなどの時に赤ちゃんが着せられる真っ白なセレモニードレス。後頭部をすっぽりと覆って顔の回りをレースが縁取るベビーフードが愛くるしい。そのすぐ奥はカウンターで、それと向かい合うように、女児服が吊され、あるいは丁寧にたたまれて置かれている棚が並んでいる。
 どれもこれも女児用ばかりで、男児用のものは全くない。ズボンどころか、キュロットやスカパンのたぐいさえ一着もなかった。
 18歳の男性である夏生にとって、こんな可愛い服に囲まれるのはそれだけで落ち着かない。ロリータとも違う少女趣味。レトロで、どこか懐かしさを感じさせる女児服の数々。
 しかし、彼が落ち着かない理由はそれだけではなかった。
 不思議の国のアリス症候群――と呼ばれる症状がある。
 視覚に異常がないにもかかわらず、周囲のものを通常より大きく、また通常より小さく認識するものだ。他にも様々な症状があるが、前述の代表的な症状が、薬を飲んでからだが大きくなったり、小さくなったりする「アリス」の挿話にちなんでこう呼ばれる。
 夏生を襲っている違和感は、それと極めて似通っていた。
 まるで先ほどから自分の体が縮んでしまったような違和感。身長164センチ、体重55キロという、18歳の男性にしては比較的小柄な体格が、さらに小さく縮んで感じられる。それは時として中学生になり、小学生になり、幼稚園児になり、さらには新生児ほどまで縮んで、再び小学生に戻る。
 その違和感の理由を、夏生は知っていた。
 店内に並ぶ子供服、ベビー服。カジュアルなワンピースからフォーマルな入卒スーツ、お受験用のアンサンブルから、ベビー用のロンパース、はてはオムツカバーに至るまで――そのすべてが、普通のものよりも遥かに大きく作られており――それこそ一八歳の香具山夏生が着用してもなんの問題もないほどのサイズなのだった。
 

コメント

お帰りなさい! また神無月さんの作品が読めるのは嬉しい限りです♪

期待してます

再開待ってました。
かぐや姫は毎回楽しみだったので嬉しいかぎりです。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://kannaduki57.blog.2nt.com/tb.php/514-97995018
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | HOME |