2ntブログ

十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2024-05

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ボツ原稿

 まずはコメント返しから。

 くまねこ様、コメントありがとうございます。久しぶりの更新からすぐにコメントをいただけるとは思っていませんでしたので、予想外の喜びでした。
 そして2コメ様、販売作品を撤去してしまい、大変申し訳ありませんでした。今後、新作発表に続けて、旧作のイラストを一新した上で販売したいと考えています。
 ただバビロンシリーズの3作目につきましては、当初は三部作を予定していたという趣旨のことは書きましたが、現在のところ発売予定はありませんので、ご了承下さい。とはいえ、私自身も非常に好きなシチュエーションですので、筆が向いたら書くかも知れません。


 さて、作品を書いていると当然、何度も何度も書き直します。
 短いものならすべて削除してそれきりなのですが、かなり長く書いた後で、展開にそぐわなくなったり、冗長になったりするためにボツにした部分については、切り取って取っておいてあったりします。実のところ、こうやって消えていった文章は、本編とほぼ同じくらいの分量になります。あらかじめプロットやシナリオは考えているのですが。
 そんなわけで、いま考えている小説のボツ原稿を一部掲載します。
 ご興味のあるかたは、「続きを読む」からどうぞ。
  ******************** 
 

登場人物
 森井拓哉(たくや):高校一年生の少年。
 森井真姫(まき):中学二年生の少女。

場面
 妹のメイドにさせられた拓哉が、可愛い子供服を着せられて、真姫と一緒に駅近くのメイド喫茶に立ち寄る場面

  * * *
 
 拓哉は真姫の案内で、駅前通りのビル《クロム中武》に入った。
 そのビルは、一階から四階までは普通のファッションのショップになっているが、五階にはアニメ専門店やフィギュア専門店などのコアな店が入っている。東京都西部に在住する、オタク趣味を持つ人の間では有名な場所だった。
 最近では、六階にはメイド服やセーラー服などを扱うコスプレショップや、ロリィタ専門店がオープンした。
 さらにその上の七階はメイド喫茶専用フロアになっていて、一般的なビルの飲食店フロアのように、ワンフロアがいくつかの店舗によって分割されている。
 その中には、メイド喫茶にしては珍しく「女性向け」を前面に押し出した店もあった。
 《ア・ラ・モード》というその店は、本格的なケーキと紅茶をメイドさんが出してくれるというコンセプトで、内装もピンクや花柄を中心にしたロココ調。女性客、それもいわゆるロリィタファッションを好む女性から絶大な支持を得ていた。
 その前を通りかかったとき、真姫が弾んだ声で言った。
「へぇ、この店、面白そうなイベントやってる。兄貴、見て」
 店の前のキャンバススタンドに、小さな黒板があった。拓哉はそれを見て、ぎょっと目をむいた。
「め、メイド体験教室……?」
「面白そう。兄貴にぴったりじゃない」
 真姫はそれをのぞき込んで、
「えーと、何々……あなたもメイドさんになってみませんか? 女の子があこがれる可愛いメイド服をお貸しいたします。一時間五〇〇〇円、三〇分間接客すれば、衣装代無料。お連れ様への接客も可……だって。要するに、メイドとして働けば無料でメイド体験ができるってことね」
「みたいだな。……って、真姫、まさか、これを……?」
「へっへー、察しがいいじゃん。それとも、この写真に出ているメイド服を着たいの?」
「そ、そんなわけないだろ!?」
 「メイド体験教室」の説明の横には、参加した場合に着ることの出来るメイド服の写真が並んでいる。どちらかといえばきっちり肌を隠すクラシカルなデザインだが、色合いはピンクやオレンジ、水色などのポップなパステルカラーだ。
 こんな服なら、給仕する女の子も楽しいだろう――そう考えた途端、拓哉の股間が再びうずき始めた。見ているだけで、一着一着の肌触りや着心地まで、全身の肌の上に再現されるようだ。
 急に黙り込んだ兄を、真姫はにやにやと見やる。
「ふふーん、口は嘘つきでも、そこは正直なのね。聞こえるよ、そのメイド服が着たいって」
「う……」
 拓哉が言葉につまっている間に、真姫は店の中に入っていった。慌ててその後を追うと、
「お帰りなさいませ、お嬢様」
 メルヘンティックな店内に、可愛らしいメイド服の女性が出迎えた。
「お二人様ですか?」
「ええと……ええ。それと、表にでてるメイド体験教室ってのに申し込みたいんですけど」
 先に入っていた真姫が言うと、メイドはにっこり笑う。
「かしこまりました。そちらも、お二人様でよろしいしょうか?」
 真姫は一瞬、店内に目を向ける。
 半分近く席は埋まっていて、そのほとんどはロリィタ服を着ている。その様子は、ルイ王朝時代のフランス貴族の令嬢に仕えるメイドのようだった。
 それを見て、真姫が何かを思いついた顔になる。
「うーん……真姫はいいや。後ろの兄がひとりで」
「兄……?」メイドはまるで何か聞き間違いをしたように、「え、ええと、後ろのかたは、お嬢様の、お兄様で、いらっしゃいますか?」
「そうよ。ねぇ、兄貴?」
 メイドはじっと、値踏みするような目つきで拓哉を見つめる。
(そんな目で見ないでくれ。俺だって、好きでこんな恰好してるんじゃないんだから……)
拓哉は真っ赤になってうつむいた。男なのにこんな服を着ている恥ずかしさと、これからメイド服を着せられる恥ずかしさに、顔から火が出そうになる。
「……かしこまりました。少々お待ち下さい。店長――いえ、メイド長に聞いて参ります」
「よろしく。ほら、兄貴も何か言いなさいよ」
「は、はい」
 普段メイドをさせられているときの癖で、拓哉は深々と頭を下げ、
「私のことを、メイドとしてしつけ直してくださいませ」
「あ、えーと……はい、ちょっとここで待っててくださいね」
 メイドは引きつったように笑ってから、店の奥に消えていった。
「じゃあ兄貴は、このままメイド体験教室に参加してて。真姫はちょっと、下の階に用事があるから」
「用事?」
「うん。じゃあね」
 真姫はそう言って、店を出て行った。


 やがて、先ほど店の奥に行ったメイドが戻ってきた。まずは会ってみたいという店長に目通りすると、眼鏡をかけた「メイド長」は、すぐにオーケーをくれた。
 そして――
「まぁ、お似合いですわね」
 着替え終わって鏡の前に立つ拓哉に、メイド長は優しく言った。
「ほ、本当に、似合ってますか? おかしいところとか……」
「いいえ、ぜんぜん。本当に男性のかたなのか、疑ってしまうくらいですわ」
「そうですか……」
 拓哉はちょっとがっかりして、それでも似合っていないところはないか探すように、鏡の中を仔細に眺めた。
 いくつかある中で拓哉が着せられたのは、レモンイエローも鮮やかなメイド服だ。本当なら、水色か緑のもっと目立たないメイド服が良かったのだが、店長曰く、これがいちばん男だと気付かれにくいメイド服であるらしい。
 スタンドカラーの襟。どうしても女性に比べて太い首元を隠し、フリルとリボンで華やかさを足す。
 胸元。黄色のワンピースの上に、胸部が大きく開いたエプロンを重ねることで、パッド入りのブラジャーでわずかに膨らんでいる胸を強調し、大きく見せる。
 ふんわりと膨らんだ肩で肩幅の広さを、長袖に手袋で骨太な男の手をごまかす。
 短いスカートとニーソックス。脚のラインは綺麗なので、視線をスカートから下に集中させる。
 理屈を聞けばなるほどと思うのだが、いかにも女性らしいデザインのみに丈メイド服が恥ずかしいことに変わりない。
「可愛いですわよ、拓哉くん。すごくお似合いです」
「そんな……」
 褒められると背中と股間がむずむずして、拓哉はスカートの裾を押さえてうつむいていた。ついでに言えば、「拓哉」という男名前で呼ばれるのも恥ずかしい。
 するとメイド長が、
「拓哉さん。メイドがご主人様から褒められたら、『お褒め下さりありがとうございます、ご主人様』とご返事するのが礼儀ですわよ」
「は……はい」
「それではもう一度。私をお嬢様だと思って、……可愛いですわよ、拓哉くん」
「お、お褒め下さりありがとうございます、お嬢様」
 丁寧に頭を下げると、
「まぁ、お辞儀は完璧ですわ。ふふっ、普段から妹様にお仕えしているだけありますね」
「な、なんで妹のことを……?」
 メイド長はにっこり笑って、拓哉の問いには答えなかった。受付をしたメイドから話を聞き、だいたいの想像をつけたのだ。
「さて、それではメイド体験ですわね。お着替えが終わったから、次はお紅茶の淹れ方をレクチャーしてさしあげますわ」

コメント

見つけるのが遅くて買えなかったので同じ世界観だと聞いて
カイタイショウジョをバビロンシリーズの3作目と勘違いしてみたいです
旧作の絵もお気に入りでしたが新しく書き直されると聞いてさらに再販が待ち遠しくなりました

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://kannaduki57.blog.2nt.com/tb.php/498-97277b42
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | HOME |