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十月兔

強制女装を中心とした小説・イラストのブログです。

2010-09

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『女児転生』 第二章(13)


 (13)

「な、なにするんだよっ!」
 俺はあわてて股間を隠すが、おそかった。そこにいる全員が、すでに俺の股間を目撃してしまっていた。
「わぁっ、おっきくなってる……」
 俺の股間をみた秋穂ちゃんが、目を丸くした。みたんだ。スカートの下に穿いた女児用のショーツの前が、もっこりとと膨らんでいるのを。俺のペニスが、大きくなってしまっているのを。
「あらやだ」冬花ちゃんが言った。「さんざんいやだとか何だとか言ってたくせに、ずいぶんと喜んでるじゃない。ほんとうは、かわいい園児服を着せられてうれしかったのね」
「ち、違うっ……!」
「どこが違うのよ。さっきから、ブルマーの下でそんなものを大きくして、よくそんないいわけができたものね」有里奈ちゃんはためいきをついて、「いい加減認めたら? ぼくは女の子の服を着るのが大好きな変態ですって。認めるまでもなく、周りからはそうとしか見えないんだけど」
 違う。俺は無理矢理、女の子の服を着せられているだけだ。そういおうとしたものの、唇は糊で貼り付けたように動かない。
 そこへ秋穂ちゃんが、さらなる火種を投下する。
「ねーねー、何でお兄ちゃんのおちんちん、おっきくなってたのー?」
「あー、秋穂は知らないのね」有里奈ちゃんは苦笑して、「男の人のおちんちんってね、大きくなったり小さくなったりするの。特に気持ちいいときに、大きくなるのよ」
「へー、なら、お兄ちゃんはいま気持ちよかったんだ?」
「そ・う・い・う・こ・と。高校生にもなった男が、幼稚園児の服を着て気持ちよくなってるなんて、どう考えても変態よねー」
 冬花ちゃんが追い打ちをかける。
 逃げ出したくてたまらなかった。しかしいま逃げ出しても事態が好転しないことは明らかだったし、なによりこんな格好で逃げ出す気にはなれない。ブルマー姿で走り回っただけで、あれほど恥ずかしかったのだ。まして園児服で人前を歩き回るなど、まっぴらだ。
「そーなんだー。お兄ちゃん、本当は女の子になりたいの?」
「ち、違うっ! 俺には、そんな趣味はない……!」
 誤解だ。俺は必死に、秋穂ちゃんに向かって首を振ったが、
「どこが違うのよ」有里奈ちゃんの白々とした声が、俺の弁明を遮った。「あたしたちが秋穂ちゃんの家に行ったときも、あんなかわいいドレスを着てたじゃない。小学生だって、高学年にもなったら絶対に着ないわよ。たとえどんなに命令されたとしても、ね」
 俺は赤面して、沈黙する。今更ながらに、秋穂ちゃんに着せれたふりふりドレスの着心地を思い出す。そして、冬花ちゃんや有里奈ちゃんにお子さまパンツを見られた恥ずかしさも。
「ほーら、やっぱりそうなんじゃない」
 冬花ちゃんが、勝ち誇ったように言った。両目には爛々たる光を浮かべ、幼いながらも獰猛性の片鱗をのぞかせている。
「そんなに嬉しいんなら、いまから幼稚園児の女の子として扱ってあげる。……さ、いくわよ」
「行くって、どこへ?」
 秋穂ちゃんが無邪気に訊ねる。
 冬花ちゃんは薄笑いを浮かべて手招きし、秋穂ちゃんと有里奈ちゃんを近寄らせると、ひそひそ内緒話を始めた。秋穂ちゃんは面白そうに、有里奈ちゃんは無表情に、冬花ちゃんの話を聞いていたが、
「うん、それ、楽しそーっ! 行こう、行こっ!」
「まったく、冬花ってば悪趣味ね。やるんなら付き合うけど」
 友達ふたりの答えに、冬花ちゃんはにやりと笑う。そして、俺の腕に抱きつくように、腕を絡めてきた。
 とっさに、彼女の手を振り払うべきかどうか迷う。これまでのことを考えると、このまま冬花ちゃんの言いなりになっていたら、さらにとんでもない事態に巻き込まれることは、目に見えていた。けれど──
「逃げたければ、逃げても良いのよ? でもこの店は駅前だし、そんな格好で駆け回ったら、ずいぶんたくさんの人に見られて、話題になるでしょーね。お兄さんの同級生がいたりしたら、もう二度と学校に行けなくなるわよ?」
「…………」
 考えないようにしていた最悪の想像を吹き込まれ、俺は硬直した。
「きまりね。寧々さーん、それじゃ、おじゃましましたー」
「ええ、また近いうち、その子を連れてきてね」
「うん!」
 寧々さんの言葉に勝手にこたえると、俺の腕を引いて歩き出した。
「さ、行くわよお兄ちゃん。……って言うのも変か。こんな幼稚園児の服を着てるんじゃ、お兄ちゃんって感じじゃないもんねー。でも、お兄ちゃんはお兄ちゃんなんだし、それで良いよね? もし良ければ、お兄ちゃんの好きなように呼んであげるけど」
 俺はなにも答えられなかった。
 ただ痛いほど唇を噛みしめながら、冬花ちゃんたちに引きずられるようにして、店の外へ出た。駅前の大通りには、休日の夕方とあって大勢の人が行き交い、夕焼けの日差しが俺の園児服を照らし出す。
(み、見られてる……)
 焼けるような日差しよりも、大通りに出た瞬間に周囲から向けられた眼差しのほうが、肌にぴりぴりと突き刺さるような気がした。

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